肩関節周囲炎における退行性変化|フィジオ福岡 肩の運動療法

フィジオ福岡にも多くの肩の主訴をお持ちの御客様がご来店されます。
その中でも多いのが「四十肩・五十肩」、などと呼ばれる「肩関節周囲炎」です。
この肩関節周囲炎は、肩甲骨の可動性や協調性が低下することが引き金となり、結果として肩甲上腕関節の疼痛や可動域制限をきたす可能性が高い症状です。

肩関節周囲炎とは

肩関節周囲炎は、肩関節周囲組織の退行性変化を基盤として、主に肩甲上腕関節の可動域制限をきたす疾患のことをいいます。
ここでいう「退行性変化」の一つとして、例えば肩甲骨の可動性低下があげられますが、肩関節周囲炎発症後の肩甲骨の動きは様々な代償動作が強く働き、本来の退行性による可動性低下が顕著には出ないことが多いように思います。
実際に、痛いけど病院に行くまでではない、と言われる方の多くが代償的に肩にストレスがかからないように動いているだけで、それでは正常な機能とはいえない方が多く見受けられます。

代償として多く見られるアライメントの変化

肩関節周囲炎を呈する高齢者の肩甲骨傾斜角度については、退行性変化として肩甲骨が上方回旋位となることが報告されています。
これは加齢に伴う胸郭の変化や肩甲骨上方回旋に関与する筋の緊張が優位となっていることから誘発されるものと考えられています。
また肩甲骨移動角度量についても同様に、屈曲、最大挙上、外転ともに上方回旋の可動性低下、最大挙上、外転においては後傾の可動性低下が認められており、これは肩甲上腕リズムにおいて肩甲胸郭関節よりも肩甲上腕関節による肩関節運動が優位になっていることが考えられます。
この報告については特に外転において、健常者の肩甲骨運動では肩甲骨が後傾しているのに対し、肩関節周囲炎を呈する群では肩甲骨が前傾している対象者が多く、肩甲骨前傾の結果として外転時の肩峰下でのストレスが強くなって症状を発症していると考えられています。

退行性変化を考慮して運動療法を行うことで効果的な予防治療の実現か可能となる。

これらの報告を考えると、肩甲骨の上方回旋・後傾の可動性に着目することは、肩関節周囲炎の治療や予防につながる可能性が示されたことになります。
退行性変化では、組織の構成要素となるI型コラーゲンに関連するmRNAやタンパク量は腱の力学的な強度と相関し、これが加齢によって量・強度ともに減少することが報告されています。
つまり加齢によってコラーゲン代謝回転能力が減少してしまうことが、コラーゲン量や力学的要素に影響を与えていることで肩関節周囲炎を惹起させる一因である可能性を示唆しています。
だからこそ年齢を踏まえ退行性変化を考慮した運動療法を行うことで、症状の早期回復の達成、より効果的な予防治療の実現が可能になっていくのです。

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