老化の原因とアンチエイジング | フィジオ福岡 高齢者のトレーニング

現在、医療に携わるすべての人が高齢者の医学・医療を正しく認識する必要のある時代が到来しています。
特に普段の生活でも高齢者に接する機会はきわめて多く、高齢者に関する知識はきわめて重要なものになっています。
高齢者に携わる人は自分が接する高齢者が有する臓器の疾患について病態をよく理解しておかねばならないですが、ここで重要になってくるのが「病的問題」と「加齢変化」の違いについて理解していなければいけないということです。

そこで今回は、人の加齢変化についてまとめてみます。

「老化」とは「成熟期以降の過程であること、ヒトの生存に不利となる過程や現象」。

老化(senescence)とは、成熟期以後、加齢とともに名臓器の機能、あるいはそれらを統合する機能が低下し、個体の恒常性を維持する事が不可能になり、ついには死に至る過程です。
この過程でおこる現象を老化現象といいます。

すなわち「老化」とは「成熟期以降の過程であること、ヒトの生存に不利となる過程や現象」を意味するものになります。
他方、加齢(aging)とは「生後から時間経過とともに個体に起こる、よいことも悪い事も含めたすべての過程、現象」を指し、ネガティブなイメージの強い老化の概念と若干異なるものであります。

老化の特徴は、以下の4つがあるとされています。
①普遍性(universality)
②内在性(intrinsicality)
③進行性(progressiveness)
④有害性(deleteriousness)

すなわち老化は誰にでも例外なく起こる現象。
進行性で、個体の機能低下をもたらす事により個体の生存に対して有害に働き、その原因は主として個体に内存することを意味しています。
これが一般的な老化の定義とされています。

老化の原因に関する学説(老化学説)がいくつか提唱されています。

では老化はどのような機序でおこるのか。
老化の原因に関する学説(老化学説)がいくつか提唱されています。

古典的な老化学説には、次の6つがあるので紹介します。

(1)プログラム説
寿命は遺伝子によって制御されており、老化は遺伝子にプログラムされているという説。

(2)エラー説
DNA-RNA-蛋白合成系が突然変異や化学修飾により変調し、この集積によって細胞の機能障害、老化が持たされるという説。

(3)クロスリング説
複数の反応基をもつ物質が架橋となり、相異なる複数の高分子と結合して新しい高分子を作る事をcrosslinking(クロスリンキング)というが、こうした物質は分解されにくく、細胞障害を起こす可能性があり、このような物質の組織への沈着が老化の原因であるという説。

(4)フリーラジカル説
スーパーオキサイド、過酸化脂質などの遊離電子をもつ分子(フリーラジカル)が蛋白、核酸、脂肪などの生体構成成分に障害を与え、細胞機能を低下させ老化を引き起こすという説。

(5)免疫異常説
加齢に伴い、免疫担当細胞の機能低下により自己抗体が増加し、自己免疫反応が起き老化が持たされるとういう説。

(6)代謝調節説
細胞の代謝回転が細胞分裂速度に影響して、老化や寿命を支配するという説。

以上のような有力な説はあるものの、人類はいまだこの「老い」の謎を解明したわけではありません。

とりわけ注目される「酸化ストレス説」と「カロリー・リストリクション」。

エイジング・アンチエイジングを考える上で世間一般で注目されている仮説は先に述べた中でも大きく2つが主流として存在します。

1つは「酸化ストレス仮説」。
先に述べた「フリーラジカル説」です。
ヒトは身体の中では空気中から取り入れた酸素と、食べ物から取り入れた栄養素が結びついてエネルギーが作り出されます。
それが活動の源となるが、その中で人間が活動すると体内に活性酸素(フリーラジカル)が発生します。
活性酸素は車で言うならば、排気ガスみたいなもので身体を構成するタンパク質、脂肪、DNAなどを酸化して錆びつかせ老化を進行させてしまいます。
これが老化の原因の一つであるというのが「酸化ストレス説」です。
だからこそ、身体が錆びないように、酸化しないように活性酸素の害から守ろうというのが「抗酸化」であり、アンチエイジングの基本的な考え方になっています。

「カロリー・リストリクション」は代謝が少なければ、老化は進まないという基本原則の上に成り立っている。

もう一つの原因とされているのが「カロリー・リストリクション」、いわば「代謝調節説」です。
私たちは食べたものをエネルギーに変え生きているということ自体がそもそも老化であるという「代謝」を中心にした考え方です。
どんどん食べどんどん運動すると、どんどん代謝が進行し老化するというもの。
だからこそ、必要な栄養素は摂取した上で、カロリーを制限して代謝を抑えるというのが基本的な考え方となっています。
代謝が少なければ、老化は進まないという基本原則の上にこの説は成り立っているのです。

アンチエイジングのキーワードとして「抗酸化」と「カロリー・リストリクション(カロリス)」。
2つのキーワードをイメージすることは老化を考える上では欠かせない内容であることは間違いありません。

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