生物の運動における様々なリズム|フィジオ福岡 位相同期を考える

身体システムの中で、「呼吸」と「循環系」は身体恒常性維持のための基本的システムであり、運動時に協調して動作する必要があります。
同調というキーワードを考えてみると、例えば歩行運動のような周期的な運動では、古くから運動のリズムと呼吸のリズムが同期化する現象がヒトを含む様々な哺乳動物で観察されていることが報告されていて、 このような現象を「Locomotor-Respiratory Coupling (LRC)」と呼んでいます。

生物の運動にはいろいろな同調現象が存在する。

このように生物の運動にはいろいろな同調現象が存在します。
例えば、四足動物においては運動の推進ベクトルと呼吸運動のタイミングが一致すると報告されている例や、鳥類においては飛翔筋のアップストロークと吸息活動が同期することにより呼吸仕事量が低減されることが示唆されています。

このように考えていくと、生物の運動には様々なリズムが存在していることがわかります。

ではヒトにおける同調は存在するのでしょうか。

 

運動時には筋収縮に伴って筋内圧が動脈圧以上になることから、運動に関わる骨格筋の血流量を最大にするようなタイミングで心臓と運動筋のリズムが同期している可能性があるのではと考えられている。

現在のところ、ヒトにおける「心拍リズム」と「呼吸リズム」間の同期現象 「Cardiac-Respiratory Coupling (CRC)」という現象は報告されています。
これは心拍リズムは呼吸リズムの影響を強く受け呼吸性不整脈を示していて、呼吸周期に心拍が揃うことでガス交換効率を高めていると考えられています。
これは効率性を求めるがための同調ともいえるでしょう。

また一方で、「運動リズム」と「心拍リズム」も相互に作用して「Cardiac-Locomotor Coupling (CLC)」と呼ばれる位相同期を生じる、つまり同調することも報告されています。
特に運動時には筋収縮に伴って筋内圧が動脈圧以上になることから、運動に関わる骨格筋の血流量を最大にするようなタイミングで心臓と運動筋のリズムが同期している可能性があるのではと考えられています。

身体機能効率化を図るために様々なプログラムが存在する。

このように身体システムは、身体機能の効率化を図るために様々なプログラムが組み込まれていて、それが無意識のうちに働いているということがわかります。
運動の効率とは、ただの表出した動きの結晶ではなく、このような内面的な同調というものも見逃せないシステムとして考えていく必要性があると思います。

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