ストレッチングの科学

ストレッチングは運動療法において実勢頻度の高い手技のひとつです。
ストレッチングにより得られる効果として、関節可動域の改善、筋萎縮の抑制、筋肥大、血液循環の促進、障害予防、筋疲労の回復、疼痛緩和、バランス能力向上などが挙げられます。
また、ストレッチングは神経筋伝達機能促進や筋力増強などのパフォーマンス効果があることも知られています。

しかし近年では静的ストレッチングが筋出力の低下やパフォーマンスの低下をもたらす、筋疲労の回復には働かないという報告もよくみられます。
静的ストレッチングをすることによる弾性エネルギーや筋の剛性、筋動員数の低下がその原因とされています。
とはいえ全く悪い報告ばかりではなく、例えば筋肥大に影響をおよぼすIGF-1(インスリン様成長因子)の増加をもたらすとされ、これを利用してレジスタンストレーニングのセット間に静的ストレッチを組み込むことで、筋肥大を亢進させるといったトレーニング法もあります。
この方法では、筋の機械的な伸張により血流制限を引き起こし、乳酸や水素イオン等の代謝産物を蓄積をもたらすことで、成長ホルモンの応答を働かせるといった狙いもあるようです。
また、リハビリテーションの領域では関節可動域訓練や反射や抑制など神経生理学的にアプローチするためにストレッチングが用いられています。

筋出力の低下というと良くないイメージがありますが、これは神経筋に対する鎮静作用が働くことによるもので、脊髄神経機構の抑制性反射が働くことや中枢性に筋緊張抑制メカニズムが働くことなどが明らかになっています。
また、静的ストレッチングにより副交感神経が優位に働くことが明らかになっており、就寝前などのストレッチングは入眠に対して優位に働くと考えられますし、運動終了後、クールダウンを終えた後のストレッチングも相応の効果が期待できます。

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