「筋トレをしたら太くなってしまう」は正解か?|フィジオ福岡 ダイエットの科学

人は誰しも楽して痩せたいと思うものです。
何もせずに痩せられればそれでいいのですが、そううまくはいきません。
そう、ダイエットには運動が必要です。

無酸素運動において得られるものにも、ダイエットを期待できる要素がある。

よく痩せるためには「有酸素運動が必要だ」といいますが、本当に有酸素運動だけでいいのでしょうか?
確かに有酸素運動は。体脂肪をエネルギーとする運動ですから、有酸素運動が必要なのですが、無酸素的な運動、すなわち筋トレが全く必要ないかというとそうではありません。
もちろん脂肪燃焼という点でみれば、有酸素運動が最も有効であることに疑いの余地はありません。
ただ、無酸素運動において得られるものにも、ダイエットを期待できる要素があるということです。

筋が肥大しても同じ重さだけ脂肪が落ちれば、身体は痩せて見える。

無酸素運動、すなわち筋トレですが、これにより筋肥大や筋持久力向上などが期待できます。
たとえば、筋持久力が向上すれば、より有酸素運動が有意義なものになるでしょう。
さらに、筋肥大ですが、筋肉が大きくなってしまうので逆に太く見えてしまうなんて思ってしまいがちです。
ここで、筋肉と脂肪の組織の違いを考えていただきたいのですが、一般に同じ重さであれば、筋肉は脂肪よりも「小さく」、同じ大きさであれば、脂肪よりも「重い」とされています。
これを数字で表すと、
脂肪組織:1c㎥あたり約0.9g
除脂肪組織(筋や骨):1c㎥あたり約1.1g
となります。
たったの0.2gと思ってしまいますが、これを同じ重さとして考えると、おおよそ1 : 0.8ほどの体積になり、同じ重さであれば、脂肪1に対してそれ以外の組織は0.8の体積しかないわけです。
つまり、筋が肥大しても同じ重さだけ脂肪が落ちれば、身体は痩せて見えるのです。

「筋トレをしたら太くなってしまう」というのは取り越し苦労。

また、筋肉を目に見えるほど肥大させようとするのであれば、ダイエット時の食事環境では困難なものであり、効率的であるとは言えません。
したがって、「筋トレをしたら太くなってしまう」というのは取り越し苦労であるといえます。
もちろん、トレーニングのやり方や内容によっては、そうならない場合もあるため、適切な処方が必要です。
さらに、筋に含まれるタンパク質のなかには、熱産生、すなわち体温の維持・上昇に働くタンパク質サルコリピンが含まれており、エネルギー代謝を働かせるためには体温がある程度の値になければならないため、間接的に脂肪燃焼効率を上げることができます。
また、無酸素運動において、褐色脂肪細胞や骨格筋組織に存在するタンパク質UCPを活性化することができ、これも熱産生に関与します。
したがって、ダイエットにおいて、無酸素運動も有酸素運動も効果的であり、有酸素運動は直接的な関与に対して無酸素運動は間接的に脂肪燃焼やダイエットに関与しているということができます。
ただし、やはり適切な運動処方のもと行うべきでしょう。

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