胸椎アライメントと胸椎の障害|フィジオ福岡 胸椎の重要性

上半身の動きで重要となる『胸椎のアライメント』。非対称的な日常動作など何らかの原因で、胸郭に非対称性が生じます。胸郭の非対称性は、胸椎の回旋及び側弯などもたらし、その結果、胸郭の可動性にも偏りが生じ、脊椎全体としての可動範囲にも制限をきたします。

脊椎の側弯・回旋アライメントの特徴

脊椎の側弯・回旋アライメントの特徴は、上位由来の場合と下位由来の場合に分けて考える必要があります。上位由来とは、頚椎や肩関節運動と関連して、上部胸郭の非対称性が生じることを意味しています。上位由来の胸郭非対称性は、下位胸郭や腰椎アライメントへの影響は比較的小さく、上位胸椎のみに非対称性が生じます。これに対して、下肢・骨盤・腰椎など下位脊椎に起こった非対称性は、顔面を水平かつ正面に向けるため、胸椎や頚椎において代償されます。具体的には、腰椎の左凸の側弯は、胸椎の右凸の側弯によって代償されます。

上部胸郭の非対称的なアライメントや運動を長時間・高回数反復することは、上部胸郭の非対称アライメントを誘発し、頚椎や肩関節の運動にも支障をきたす場合もあります。例えば、バイオリン奏者は、バイオリンを左肩と顎で固定し、左手では弦を操作、右手では弓を操作する動作を反復します。その結果、頚椎・上位胸椎・肩甲帯・肩関節・などに非対称的なアライメントを呈しやすく、肩こりや頚部の不快感が出現しやすい。右打ちのゴルファーは右手を下方にしてグリップするが、その状態でのスイング中の肩甲骨の運動により、右肩下がりの姿勢を呈しやすくなります。上記のような頚椎や関節周囲の非対称的なアライメントには、上部胸郭の非対称アライメントが起こりやすくなります。

また下肢の脚長差や股関節の可動域制限は骨盤の非対称アライメントを導き、その結果、仙骨の傾斜や回旋が誘発されます。その結果、腰椎側弯、胸郭の回旋など、上行性の代償が脊柱内に起こります。このような状態は機能的側弯と呼ばれ、加齢とともに徐々に胸郭の可動性が失われ、また周辺の筋の緊張などによる不定愁訴が出現しやすくなります。

スポーツ選手に見る胸椎損傷の症状

スポーツ選手に見る胸椎損傷の症状は、ショエルマン病の晩期後遺症として生じるような潜在的で構築的な脊椎の硬さとしばしば関連していたり、あるいは習慣的な不良姿勢のためであることが多いとされています。胸椎後弯の増強は一流のスイマーにもよく見られますが、ショエルマン病のような構築的なものであったり、筋肉の不均衡や体幹肩甲骨間の不安定性のような機能的で矯正可能なものであったりする。損傷されたり症候性になる危険のある構造には、体幹部の症状や前胸部にまで及ぶ関連痛を生じる椎間板、重度の場合は胸壁に放散する通常片側性の疼痛を生じる椎間関節や肋椎関節、および肋骨にそった神経根性痛を生じる肋間神経根などがあります。

胸椎の椎体間、傍脊椎および肋骨関節のこわばりは、特に回旋や伸展の可動域制限として明らかとなり、症例によっては吸気の深さにも影響を及ぼすことがわかっています。深呼吸した際に、掴まれるような痛みが走ったり、深呼吸自体ができないといった呼吸症状は、肋椎関節、肋横突関節のこわばりや亜脱臼による可能性があり、徒手的治療でアプローチすると寛解しやすいとも言われています。回旋系のスポーツやボートなど体幹の導入が多いスポーツでは、肋骨の疲労骨折が胸椎部、前胸部あるいは胸郭の痛みの原因としてよく観察されます。

また、スポーツにおける肋骨の疲労骨折は第4~9肋骨にかけてがもっとも多いと報告がされていますが、時には後方で発症することもあり、胸椎椎間板損傷や椎間関節/肋椎関節症候群に類似した症状として発症することもあります。

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