運動スキルの獲得と運動学習|フィジオ福岡 競技パフォーマンスを高めるために

運動スキルはすべての競技スキルのベースとなるのですが、実際に競技動作そのものの巧さを向上させるためには専門スキルを身につけなくてはなりません。この専門スキルを身につけるためには、その競技の練習を行うのが一番です。そして、練習の中でその競技動作の「コツ」を押さえることがスキル獲得の近道になります。このスキルアップに欠かせないのが小脳の働きになります。その競技の練習を行うと競技が巧くなるというメカニズムの1つといて考えられているものに「小脳の働き」があります。

小脳の運動学習

繰り返し練習すると、小脳において運動学習がおこります。練習で実際に行った動作が自分のやりたい動作と違ったとします。すると動作を行ったときに小脳内の運動指令のネットワークに抑制がかかります。その結果、巧く運動できなかった動作の運動指令の回路がやがて働かなくなり次第に自分のやりたい動作が出来るようになるのです。繰り返し練習し、それによって学習し、理想的な動きを起こす運動回路が残っていく。このような小脳の運動学習を「長期抑制」といいます。「うまくいった」「ここがうまくいかなかったから次は気をつけよう」という結果を意識してしっかりフィードバックし繰り返し練習することがスキルアップには大切なのです。

運動スキルを獲得する際に経験する学習過程

運動スキルの複雑さやタイプは多様でありますが、種々の運動スキルを獲得する際に経験する学習過程は、ある程度共通したものとなります。学習における3つの段階には認知、連合、自動の3段階があります。

認知段階とは、その運動を行うために何が必要なのかを明らかにしようとする段階です。この段階ではかなりの認知活動が必要とされ、運動は比較的意識的に制御されます。認知段階では、運動の目標に近づくためのもっとも有効な方法をみつけるためにさまざまな方法を試みることが多くなります。また、多くの注意を費やして、個別の運動を着実に実行する傾向があります。意識的な制御方略を使うため、その運動は遅く、スムーズさに欠け、非効率で、そのパフォーマンスには一貫性がありません。

一旦、基本的な運動パターンを獲得すると、第2の学習段階である連合段階が始まります。この段階は、運動のより細かい調整をする段階です。運動の結果の信頼性は高くなり、運動自体の整合性も試行ごとに高まっていきます。そして、非効率的な筋の同時収縮は徐々に減少し、運動はより効率的となります。加えて、運動の一部は自動化し、注意を他の部分に向けることができるようになります。

連合段階を継続していくと、自動段階に到達します。この段階での運動は、流れるように行われ、努力を要しないように見えます。この段階では、ほとんどミスがなく正確なだけではなく、非常に一貫性のある運動となります。この段階での運動は、大部分が自動的に行われ、運動に注意を向ける必要はほとんどなくなります。この3段階の流れで、運動のスキルを獲得していきます。

簡単にまとめるとこのような流れになります。

「認知段階」 意識的に制御する段階

「連合段階」 運動のより細かい調整をする段階

「自動段階」 運動に注意を向ける必要がなく自動的に行える段階

是非、トレーニング指導際にご活用下さい。

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