食事と咀嚼|フィジオ福岡 咀嚼システムの働き

食べるということは、生きるため健康のためにはとても重要な事になります。食べるときは、歯だけでは咀嚼できず、舌、唇、下顎と顎関節、多くの筋肉など、口腔とその周辺の多くの器官が関わる複雑なシステムを使っているということになります。今日はそんな『哺乳類の咀嚼システムの進化』について考えます。

進化の過程と構造的変化

昔、上陸する前の脊椎動物は、口から吸い込んだ水に含まれている酸素をエラの血管で取り込んでいたと考えられています。しかしながら、上陸後の脊椎動物は、口に吸い込んだ空気を肺に送り、そこで酸素を取り込まなければなりませんでした。実は進化の過程上、エラ呼吸から肺呼吸に変化したことにより、口の中に仕切り(口蓋)ができて、口腔と鼻腔が分離していった経緯を持ちます。つまり、呼吸は鼻腔と肺で行い、口腔は摂食に専念できるようになった。このような進化があったんですね。

咀嚼運動は脳を育てる

そしてエサをしっかりくわえるために、強くてよく動く顎が発達していきます。顎が発達して咀嚼運動をするようになると、脳の分化も進みました。また、眼、鼻、耳といった感覚器官はエサを発見するために鋭さを増して、脳に情報を送る働きをします。そんな中で口腔も、エサと異物を区分する感覚器官として、情報を脳に送るようになりました。このように、多くの情報で刺激されることで脳は発達していきます。呼吸は生まれてすぐに本能的に行われますが、中枢神経と咀嚼器官の連動によって行われる咀嚼運動は、学習し訓練し身につけるもの。『咀嚼』というのは、生きていくうえで必要で、脳の発達にも欠かせないものといえるでしょう。

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