等尺性収縮の治療活用

等尺性収縮とは、筋の両端が固定され、筋の長さが変化せず関節運動を伴わない筋収縮様式です。

例として、椅子に座って膝を完全伸展している状態の大腿四頭筋の収縮や、ダンベルを肘関節90°で把持している際の上腕二頭筋の収縮などが挙げられます。

関節運動を伴わないため、さまざまな症例に適応できる利点があります。

また、特別な器具を必要としないため、どこでも手軽に実施でき、早期より実施可能であるため筋萎縮の進行を遅延させる効果もあります。

さらには筋ポンプ作用を賦活させ、浮腫・腫脹を軽減させます。

関節包や靭帯の機械的受容器を刺激し、感覚情報の維持にも効果的です。

等尺性収縮を利用した治療手技には、筋固定位運動や、リズム固定運動、保持・弛緩手技などがあります。

特に筋固定位運動は、臨床においての急性期の臥床期にベッドサイドでの運動のほか、関節炎による疼痛の存在、ギプス固定、術後の関節固定中において有効です。

等尺性運動による筋力は、運動を行った角度で筋力の増加がみられ、運動を遂行した角度から離れるにつれ筋力増強効果は低下します。

よって、筋力増強訓練の際には、さまざまな関節角度で運動を実施する必要があります。

また、最大筋力の15%以上の負荷による運動を行うと、筋収縮により筋への血流量が低下し、末梢抵抗が増加して拡張期・収縮期の血圧が上昇します。

心臓への負担が少なくなく、心疾患を有する対象者には適しません。

さらに関節運動による動的フィードバックがないため、単調な動作になるなどの欠点があります。

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