鵞足炎とランニング

鵞足炎は、ランニングやジャンプ、切り返し動作などを繰り返すことにより、鵞足を形成する筋群に過度な負担が生じ、鵞足の脛骨付着部やその近位に存在する滑液包に炎症が生じ、疼痛を引き起こします。

発症の原因としては、膝外反アライメント・下腿過外旋・鵞足に付着する筋群のタイトネスが関与しますが、特定の動作により疼痛を訴える場合は、動作不良が大きく影響しています。
膝が内側を向き、つま先が外側を向くいわゆるニーイン・トーアウトによって鵞足炎が起こるとされているが、鵞足に付着する筋の走行によりその作用は異なるため、十分に鑑別する必要があります。
腸脛靭帯炎は、膝外側部の運動時痛と大腿骨外側上顆周辺の圧痛が特徴的で、中長距離の陸上選手に多く、ランニング障害の代表的な疾患になります。

症状としては、鵞足炎は付着部での炎症である場合、筋収縮や伸張に伴う疼痛が誘発される事が多いです。
鵞足には、縫工筋・薄筋・半腱様筋の3つの腱が付着しているため、それぞれの作用方向に抵抗もしくは、伸張を加えることで主となっている筋肉の特定ができます。
腸脛靭帯炎は大腿外側や大腿外側上顆付近に疼痛を訴えますが、局所の熱感や腫脹を呈することは少ないです。
疼痛の訴えは、歩行やランニング・ADL上での階段動作など様々な場面でありますが、典型的には設置後の膝関節屈曲20〜30°における荷重動作で大腿外側に疼痛を訴えます。

治療として鵞足炎は、疼痛の主の原因となっている筋腱のストレッチや膝関節外反や下腿外旋のようなアライメント不良を修正し、鵞足部へのストレスを軽減させていきます。
腸脛靭帯炎は、腸脛靭帯へ付着する筋のストレッチによって腸脛靭帯の緊張を減じることが重要になってきます。
また、膝関節内反や下腿外方偏位のようなアライメント不良は腸脛靭帯の緊張を高めるため修正が必要となってきます。

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