ACL損傷は、国内においては年間2万件前後発生しています。
発生率は、男性に比べ女性で2〜4倍も高く、思春期以降に性差が出現してくることから、第2次性徴に夜身体的変化が影響を及ぼしている可能性が示唆されています。
受傷機転は、接触型と非接触型に分かれます。
接触型は、膝に直接外力が加わって受傷するパターンで、非接触型は他者との接触がない状況で受傷するパータンです。
競技種目によってその割合は異なりますが、ACL損傷全体の70%以上は非接触型の損傷であります。
ACL損傷は、ある程度診断可能であるとされており、受傷時の典型的な症状としては、関節内でポップ音と呼ばれる断裂音と膝崩れが生じます。
受傷時の関節肢位や受傷後の関節可動域制限(ロッキング)などの情報から、半月板損傷などの合併症の有無を判断します。
症状としては、関節血症は重要な理学初見であり、関節穿刺により血腫を認めた場合には高い確率でACL損傷が疑われます。
テスト法としては、前方引き出しテスト・ラックマンテストが主に使われます。
治療としては、スポーツの復帰を希望しない場合や、活動レベルを下げてレクリエーションレベルの活動を希望する場合には、保存療法が選択される事もあります。
基本的に競技レベルのスポーツ活動への復帰を希望する場合には、手術療法による靱帯再腱が必須となります。