変形性腰椎症

変形性腰椎症は、ほとんどが中高年者にみられます。スポーツ活動が誘因ではありますが、日常の生活動作や労働などが誘因になることも多くなります。中高年になるにつれ進行する脊柱の加齢に伴う変形が主たる病因となります。

脊柱の変性はあらゆる組織に起こり、椎間板変性・椎間関節変性・黄色靭帯の肥厚などが起こります。加齢による変性は、骨・軟骨以外にも起こり、骨を栄養する血管・脊柱を支える筋・靭帯などにも及びます。そのため、痛みは様々な発痛機序によって起こり、さまざまな性質の痛みが混在していることがほとんどになります。

症状は→痛みは、腰部全体の鈍痛となって現れることが多くなります。椎間関節由来の疼痛が強いと、朝起きだしたときの体位変換などに痛みを感じるといったような動作時痛に襲われることが多い。また、脊椎の変形が強いと、スポーツや労働中に痛みが増強してくることがあります。黄色靭帯の肥厚や脊椎すべり症などで、脊柱管が狭窄を受けると、歩いている最中に痛みが強くなって歩けなくなり、少し休むと歩けるようになるといった間欠性跛行を生じることがあります。また、変形が強くかつすべり症により神経根を圧迫すると、下肢痛を訴えることもあります。疼痛は慢性化し、反復して起こることが多くなります。

診断→X線像で脊柱に変形が認められ、かつ臨床症状から診断されます。

治療→治療は、腰痛症に準じて行います。腰椎に対する負担を軽減する目的として、ウォーキングやランニングには衝撃吸収性のいいインソールの使用も有効になります。運動によって腰痛をひき起こす場合、腰椎への負担がかからない種目に変更するように指導を行います。運動開始時に痛みが出る場合、運動開始前にしっかりストレッチを行うように指導を行います。冬場の寒い時期は、骨以外の退行変性の影響や血行障害なども起きて疼痛が増強しやすくなります。運動時だけでなく、日常生活でも腰部の保温に努めるようにします。

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