尺骨神経障害

尺骨神経障害は、肘関節に対して外反ストレスが繰り返されるスポーツで起こります。前腕の外反により尺骨神経が牽引されたり、尺骨神経溝内で神経が溝で摩擦されて尺骨神経に炎症を起こし発症します。また、繰り返す外反ストレスにより内側側副靭帯の付着部である鉤状突起結節部が牽引され骨性の肥大や骨棘の形成が起き、ここを通る尺骨神経が尺側手根屈筋の下部筋膜との間で絞扼を受けて発症することもあります。さらに、筋力トレーニングによって上腕三頭筋内側頭が肥大し肘関節屈曲時に尺骨神経が前方に圧排され、神経が内側上顆の上を前方に脱臼、尺側手根屈筋の尺骨神経入口部で強い圧排を受けることによって生じることもあります。

症状は、初期は違和感・不快感で始まり、徐々に疼痛が出現します。これは、肘関節から前腕や手の尺側に放散する疼痛で、投球等に伴うものでは放散痛が出現した後に痺れと握力低下をみとめます。神経の障害が進むと手指の知覚障害や手内筋の萎縮などをきたします。

検査ですが、初期に尺骨神経溝でのティネル徴候がみとめられます。また、肘関節を最大屈曲位にすると1分間以内に神経への血流が不十分となり患側の小指に痺れ感(肘屈曲テスト)をきたします。初期だと他の神経学的検査ではほとんど異常がみとめられないので、臨床症状・ティネル徴候・肘屈曲テストによって早期診断を行うことができます。

治療は、3~4週間の安静、スポーツ活動を制限することによって多くの症状は軽快します。ただし、スポーツ活動を再開することによって再発することが多くなります。再発を繰り返す場合、尺側手根屈筋尺骨神経入口部の切除と肘部管の神経剥離、さらに尺骨鉤状突起結節部の末梢を含めた十分な神経剥離を行い復帰を図ることもあります。

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