大腿骨近位部骨折

大腿骨頭やそれを支える部分の骨折になります。超高齢化により増加し続けている骨折で、寝たきりのきっかけになる骨折にもなります。比較的強い骨折になるため、壮年期までは交通事故や転落などの高エネルギー外傷によるものがほとんどですが、骨がもろくなった高齢者では転倒によって起こることが多くなります。

骨折の部位により、骨頭骨折・骨頭下を含む頚部骨折・頚基部骨折・転子部骨折・転子下骨折に分けられます。骨頭骨折・転子下骨折は主として高エネルギー外傷により生じます。頚部骨折・頚基部骨折・転子部骨折は高齢者に多く、転倒などによって起こり、骨粗鬆症やせは危険因子になります。

症状は、強い疼痛、立位・歩行困難。高齢者が転倒して立ち上がれなくなったときは、この骨折が疑われます。

検査は、単純X線で診断可能。X線像では分かりにくい高齢者の脆弱性骨折も多く、その場合はMRI、骨シンチグラフィーが有用。

治療法ですが、原則として手術を行います。関節外骨折は出血量が多くなりやすいため、血行動態に注意します。関節内骨折は出血量は少ないですが、血液循環が悪く、骨癒合が得られにくくなります。

予後ですが、高齢者の場合、臥床が長引くと運動機能が低下し、寝たきりになってしまうことがあります。機能回復のため早期の手術・離床・リハビリテーションを行うことが重要になります。

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