最大酸素摂取量(VO2MAX)は、運動中に体内に取り込むことのできる酸素量の最大値のことで、有酸素的な運動能力を表す重要な指標として広く用いられています。
マラソン選手やサッカー選手など持久力に優れた競技者は一般鍛錬者より、一般鍛錬者は非鍛錬者より高い値を示します。
また、高血圧症・高脂血症・肥満症などの生活習慣病とも関係があり、最大酸素摂取量の低い人は高い人よりも、これらの危険因子をもつ割合が高くなってしまいます。
したがって、最大酸素摂取量は競技者のコンディショニング評価から、一般人の生活習慣病のチェックまで幅広く利用されています。
最大酸素摂取量の測定は、トレッドミルや自転車エルゴメーターを用いて、10分程度で疲労困憊に達するような負荷漸増運動を行い、呼気ガス分析器で測定を行いますが、この方法では手軽に行えないので、推定表を用いた推定法や、20mシャトルランテストなどの間接法も開発されています。
健康増進施設などには、最大下運動中の心拍数から最大酸素摂取量を推定する自転車エルゴメーターもあり、手軽に測定することができます。
通常、この値は1分間あたりの値(L/分)として表しますが、体格差を補正するために体重あたりの値(ml/kg/分)で表すこともあります。
一般に体重あたりの最大酸素摂取量が60ml/kg/minを超えることが優れたスポーツ選手の1つの目安となります。
一流のマラソン選手では、75~80ml/kg/min程度の値となります。