トライアスロン競技をはじめとする持久型競技のトレーニング|フィジオ福岡 トライアスリートのためのトレーニング

従来より陸上競技長距離種目やトライアスロン競技をはじめとする持久型競技の場合、運動中のエネルギー供給が有気的に行われることから、パフォーマンスに関与する因子として、最大酸素摂取量等の有酸素的能力に関する指標やフォームの経済性等のスキルに関する要因が重視されてきました。
ですが、近年では持久型競技選手の筋力及び筋パワーに関する報告がみられるようになり、持久型競技選手のパフォーマンスに影響を及ぼす因子として、筋力及び筋パワーが注目されるようになってきています。
持久的運動の実施による急性的な影響として、脚筋力の低下やドロップジャンプの跳躍高の低下、伸張短縮サイクル運動における筋パワーの顕著な低下が起こることが報告されているほかに長距離ランニングによる疲労に伴 いランニングフォームが変化するといった報告や、ランニングの経済性が低下したとする報告がみられ、持久型競技において高いパフォーマンスを発揮するためにはある程度の水準の筋力・パワーを身につけるとともに、持 久的運動中にこれらを維持する能力も重要であることが示唆されています。

持久型競技選手におけるレジスタンストレーニングの効果については、高強度の筋力トレーニングによって、最大酸素摂取量が増大しなくても漸増運動におけるオールアウトに至るまでの時間が長くなる報告や、レジスタンストレーニングの実施によってランニングの経済性に向上がみられた報告、ランニング動作中の接地時間の短縮がみられたとする報告、伸張性収縮による筋力トレーニングが長距離選手の競技成績向上に効果的であったとす る報告などがあり、レジスタンストレーニングの実施によって、脚部の筋パワーの向上や伸張短縮サイクルの改善等の神経筋系の適応が起こり、これらがランニングにおけるレジスタンストレーニングの実施による筋力および筋パワーの向上には、筋肥大の要因ではなく運動単位の動員やインパルスの発射頻度の増加等の神経系の変化や筋力発揮動作の効率化、運動に参加する筋群を協調的に発揮する能力の改善などの要因が関与したものと考えられています。

長距離走においては、走行後の急性的な筋力・筋パワーの低下が報告されていて、この要因として着地衝撃の反復による筋損傷が指摘されています。
これらが日常的に累積されてオーバーユースによる障害を引き起こすリスクは非常に高いものになります。
長距離ランナーのオーバーユースの一因として、筋力の低下やアンバランス(四肢の主働筋と拮抗筋の筋力比の不適正など を挙 げ、トレーニングや競技中に身体に加わる負荷によって引き起こされる障害を防ぐにはレジス  タンストレーニングは必須であるといわれています。
また、強度の高いジャンプ動作のプライオメトリックトレー二ングに伴う着地衝撃による傷害を防ぐめには、スクワットにおい て体重の1.5倍の重量を挙上できるようにすることを推奨していて、これを支持する報告も多くく存在しています。

このように考えると、長距離競技の選手だからといって、ストレングストレーニングを取り組まなくていいということではなくなってきているということですね。
ぜひ継続してトレーニングを行っていくことをオススメします。

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