「凝り」の原因は組織の循環動態の悪化である|フィジオ福岡 コンディショニング

人の身体各部位の質量比を考えてみると、肩から手にかけての重さ、いわゆる上肢の重さは片腕で全体の8%位あるといわれています。
例えば体重50kgの人では片腕が4kgあることになり、両腕で考えると8kgのおもりを体幹にぶら下げているということがわかります。
座りっぱなしでPC備品作業などをすることは、この重さの腕をたえず固定して使わなければならないので、運動量は少なくても筋の活動は常に起こっているということを考えなくてはなりません。
結果は「肩こり」などの症状になってしまうということは想像に容易いと思います。

腕を支える頚(くび )から背中にかけて存在する僧帽筋と呼ばれる筋がこっていきます。
人の筋は、腕を曲げて力を入れると「カこぶ」ができます。
これは筋繊維の束が縮むため、いわゆるサルコメア長の変化によるものとされています。
このサルコメア長の変化が筋のポンプ作用を引き起こし、結果として組織の循環の活性化となり、血液循環が亢進されるので筋組織に酸素や栄養などの代謝に必要な物質の輸送がくまなく行われることになります。
座りっぱなしなどの実際には身体を動かさないのに、筋を収縮させるような姿勢は、筋の代謝は更新すれどポンプ作用となる筋の収縮運動が頻回には起きないため、ポンプ作用としての筋の役割がみられず、結果として組織の循環動態が悪化し血流が乏しくなるため、筋への酸素・栄養供給が不足するために、筋が凝る、いわゆる「筋硬結」を生じさせてしまうのです。

人類はヒトとなって全身の筋肉を使って野山を駆け回ることによって、生活の糧を得てきたので、体は動きまわるように作られています。
そして筋を収縮することにより筋ポンプの役目をして血液を循環させ、必要な酸素や筋を動かすエネルギーを運んでいるのです。
安静にしていて、かつ筋を使っていない時、たとえば寝ている時などは酸素やエネルギーを大きく消費しないので、必要な血液も流れる血液循環量も少量で済みます。
この状態では筋組織における酸素やエネルギーの需要と供給が均衡を保ちますので問題は起こりません。

ですが活動をすると、筋が交互に収縮、弛緩を繰り返しエネルギーや酸素消費が大きくなります。
この筋活動が動的活動である場合、筋は働いているので酸素やエネルギーをたくさん消費しても筋ポンプ作用で循環も促されるためすぐに酸素・エネルギーの補充ができるのですが、静的な作業では筋が収縮しっ放しになってしまうため筋ポンプ作用が期待できず結果として血液循環量の不足が生じます。
酸素やエネルギーが供給されづらくなると、ATPという筋の収縮・弛緩に必要な高エネルギー化合物が作れずに結果として筋が硬くなる、これが一般的に「こり」といわれる状態です 。

上記のように、筋が硬くなる原因として一番考えなければいけないのは「血液循環が悪くなることでの筋組織の酸素・エネルギー不足」であり、組織の血液動態の改善ができれば、「筋硬結」は改善へと向かうはずです。
だからこそ、運動をすることはもちろん、お風呂に入るなど基本的なことがものすごくコリの予防には重要ということがいえます。

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