膝の靱帯損傷とリコンディショニング

膝の靱帯損傷はアスリートに好発し、特に膝前十字靱帯(ACL)損傷は長期離脱を余儀なくされる外傷の代表例です。

術後のリハビリテーション期間は長く、半年以上を要するため、選手の早期復帰を期するためにも、科学的根拠に基づいたリコンディショニングプログラムを構築することが求められます。

ACL損傷後には、観血的に靱帯を再建することが多いですが、近年では半腱様筋腱と薄筋腱を使った 2 重束再建術を用いる事が増えてきました。
とある研究結果で、半腱様筋から腱を採取した後に、約90%の選手に腱の再生がみられるが,MRIを使ってその再生過程を調査した結果、術後3ヶ月間がクリティカルなポイントであることと発表されています。

半腱様筋は膝関節の深屈曲位で筋活動が多く認められることから、術後約3ヶ月間は腱の再生を促すためにも膝深屈曲位までの膝関節屈曲動作を避けることが推奨されています。
一方で訓練後期から復帰準備期にかけては、半腱様筋の筋力を高めることも重要になってきます。

従って半腱様筋を積極的に活動させるようなノルディックハムストリングによって、選択的に半腱様筋の筋力を高めていくことができると言われています。

さらに復帰準備期においては、切り返し動作など競技特有の動きを学習させることが求められます。

この動作の不良が外傷再発のリスクファクターとなるからです。

実際の指導現場で、膝関節外傷から復帰した選手の動きを観察していくと、選手の筋力は競技復帰前のレベルにあり健側・患側もないにもかかわらず、切り返し時に膝関節靱帯損傷の危険肢位であるKneein Toe-out肢位をとる選手も少なくないのが現状です。

このような動きの問題に影響する要因として、切り返し動作中の減速・停止局面のフットワークのエラーや、片脚支持力の低下などを考慮する必要があります。

従って、筋力だけでなく動作を観察し、その問題点を分析しながら再発リスクの少ない動作を学習させることが障害予防・再発防止に重要になっていきます。

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