プライオメトリクスエクササイズでみられる筋肉の力生産

プライオメトリクスエクササイズにおいて力の増加の理論は大きく分けて3つある。

第1の理論としては、主動筋を急速に伸張すれば筋紡錘を活性化し、錘内筋線維核鎖線維と包鎖線維に関連したⅠa感覚ニューロンの発射率増加を引き起こすという原理である。
Ⅰa感覚ニューロンの発射の増加は、主動筋と単シナプスの脊髄反射路におけるα運動ニューロンの発射の増加を生じさせ、筋収縮力の増加につながる。

第2の理論としては、伸張に対するゴルジ腱器官の感受性の減少のよるものである。
筋腱に存在するゴルジ腱器官は、筋の緊張によって活性化される。
緊張が筋肉にダメージを与えるレベルに達した時、ゴルジ腱器官は主動筋の力の生産抑制による保護システムを備えている。
プライオメトリクスエクササイズはゴルジ腱器官の感度を弱めるとも考えられており、主動筋の抑制を排除し、最終的に力の生産の増加をもたらすということである。

第3の理論としては、神経系の順応を基盤としている。
運動学の文献では、「認識から無意識に進むことにより新しい技術を獲得する」と述べている。

たとえば、ジャンプパフォーマンスの技術は、運動のパターンが習得されるにつれて改善される。
トレーニングをすれば効率が上がり、パフォーマンスの改善につながる。

ジャンプトレーニングにおいては、遠心性と求心性位相関の時間遅延を減少し、蓄積された弾性エネルギーの戻りを増加させる。

これは筋の断面積の変化がないときでさえ、トレーニング後のパフォーマンスの改善がみられたとする研究もある。

プライオメトリクスエクササイズは遠心性から求心性収縮への移行を最小限にすることでリバウンドの時間を改善し、神経インパルスと筋収縮の反応時間を減少させ、より多くの運動単位を動員させるという報告もある。
この3つの理由により、プライオメトリクスの力の増加が起こっているのである。

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