体重の構成要素と体格指数|フィジオ福岡 ダイエットの科学

体重の構成要素には、
①脂肪量(脂肪組織および他の組織中に含まれるすべての脂肪)
②除脂肪量(水分、筋肉、骨、内臓などを含む脂肪以外のすべての組織)
の2つに分類する方法があります。

体脂肪量の変動と体重

身体組成の最も基本的な指標は身長と体重であり、トレーニングをしていない人では体重の変化が最も適切なエネルギーの摂取と消費のバランスの指標となります。しかし、アスリートにおいて体重はエネルギーバランスの指標として必ずしも適切ではありません。たんぱく質とグリコーゲンは水分とともにからだに蓄積されるため、これらの変動が体脂肪量の変動とともに体重に大きく影響するからです。

成長期のアスリートでは発育に伴う組織の増加があるので、体重の評価には注意が必要となります。女性アスリートでは、体脂肪の減少はエストロゲンの分泌を抑制し、無月経を引き起こします。男性においても極度の体重減少はインスリン様成長因子やテストステロンの減少を引き起こすことがあります。脂肪量が過剰にあると負荷となりますが、エネルギーの保持、体温の保持、内臓の保護、ホルモンの生成などの重要な役割を担っており、生命を営むうえで必須のものです。相撲や重量級の格闘技では、脂肪があることが有利になる場合もありますし、水泳などでも体温の保持や浮力のためにある程度の体脂肪があることが好ましいです。

肥満とは単純に体重が増えるのではなく、厳密には体を構成する成分のうち、脂肪組織の占める割合が異常に増加した状態になります。ただし、実際には体脂肪を正確に、しかも簡単に測定できる方法がないのが一般的で、身長あたりの体重がどれだけ過剰であるかによって肥満を判定し例としてBMIを22として出してみます。

標準体重=身長(㎡)×22
そして肥満度を(実測体重-標準体重)/標準体重×100%で計算をして、この肥満度が20%を上回ると肥満とされます。

単純性肥満と症候性(随伴性)肥満

肥満には、原因となるものがない単純性(本態性)肥満と、内分泌疾患・視床下部疾患・遺伝性疾患などに随伴しておこる症候性(随伴性)肥満とがあります。単純性肥満はというと、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回っている事で起きるもので、食べ過ぎまたは運動不足が原因となってきます。症候性肥満のうち内分泌肥満は、ホルモンの作用で脂肪代謝に障害がおきて肥満となります。たとえば、クッシング症候群では副腎皮質ホルモンが過剰に分泌され、脂肪同化作用が亢進し脂肪組織に脂肪が蓄積していきます。その他にも、甲状腺ホルモンの不足によっても肥満になりますし、副腎皮質ホルモン剤を長期間にわたって使用している方も脂肪組織が増えていきます。やはりもっとも多いのは単純性肥満が多く、症候性の肥満は少ないと考えられます。

単純性肥満での対策はカロリー制限を基本とする食事療法と、運動を行う運動療法をおこなっていきましょう。

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