糖の摂取と脳機能の関係性|フィジオ福岡 健康科学

糖が胃腸に悪いことは最近よく知られるようになってきましたが、糖が脳のエネルギーとして必要、という誤解はいまだに根強いのではないでしょうか?
お客様と話していても「頭をいっぱい使ったから、糖質を補給しなくては」なんて話しているお客様も多いのが実際です。

しかしながら最近の研究で、糖はむしろ脳機能に悪影響をおよぼすことが示されています。
例えばある研究では、動物実験ではありますが脳が外科的な外傷を受けた後、加工された果糖を摂取すると、脳の生物学的過程に悪影響が及ぼされる可能性があると報告しています。
この実験では外傷後の実験にはなっていますが、基本的に脳細胞も常に代謝し入れ替わっているわけなので、糖による害がまったくないとは考えにくいのではないでしょうか?

糖の過剰摂取による「糖化」

研究では、「脳は学習や経験によって脳細胞間に新たな神経が形成されるものだが、加工された果糖の摂取が多いとこの形成が妨害され、脳の発達が抑制される」と報告しています。
つまり清涼飲料水などが脳機能を阻害する可能性は大いにあるということが示唆されています。

このように考えると、健康や脳のことを考えるならば、加工された糖・特に清涼飲料水に含まれる「異性化糖」などはできるだけ排除すべきであると考えられます。
確かに糖の過剰摂取による「糖化」の進行などにより、炎症を強めたり、血管を傷つけたりということも考えられますが、この報告のように脳への悪影響も無視できなくなってきているのが現状です。

「頭を使ったから甘いもの」という考え方

脳はブドウ糖をエネルギーとしていますが、その量は僅かであり、頭を使ったからと言って血糖値を変動するほど、人の体の恒常性維持機能は低くないことは以前から報告されています。
むしろ血糖値が低い状態からの糖補給による血糖の乱高下の方がよっぽど悪影響といえそうです。
正直なところ、「頭を使ったから甘いもの」という考え方は文字通り考え方が甘く、自分にも甘い、そして後で自分にそのダメージがかぶさってくるようなものです。
低血糖に陥ったら確かにイライラするかもしれませんが、それはインスリンショックによって起こることも考えられます。

インスリンショックとは「血糖値が急激に上がると、インスリンを分泌して血糖値を下げる働き」のこと。
インスリンショックを起こさないようにするためにも、急激な血糖の変化には気をつける必要があると考えられますし、やはりどのように糖を摂取するかというのはカラダにとって大きなポイントになると考えられます。

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