投球時に起こる肘の外反トルクにより、MCLには伸張ストレスが加わります。
MCL損傷は、骨が強度を増した高校生以上に多く見られ、骨端線閉鎖前(小学生〜中学生低学年)では、骨・軟骨が損傷し、内側上顆の裂離骨折や尺骨鉤上結節の骨折が起こります。
足接地から肩最大外旋までの間の肩外転角の減少や肩甲平面から逸脱した位置でのボールリリースが問題となるフォームとして挙げられます。
肘下がりのフォームの要因には、足接地直後に非投球側へ体幹が傾くことや肩最大外旋までに過剰に体幹が側屈することが挙げられます。
体幹が側屈することで両肩のラインが傾き、相対的に肘が下がります。
手投げのフォームの要因には身体の開きが挙げられます。
体幹が早期に回旋することで、リリース前に体幹の外旋運動が減少し、結果的に上肢に依存したフォームとなり手投げになります。
リリース前の骨盤の回旋制限も上肢に依存したフォームとなり、注意が必要になります。
症状としては、投球時、肩最大外旋直前(胸を張った瞬間)やリリース直後に疼痛を訴える事が多いです。
多くが慢性的な発症で、徐々に疼痛が増悪しますが、ときにピッチング時や遠投時に急激な疼痛が発症するなど、急性損傷もあり得ます。
治療としては、第一選択として保存療法が挙げられます。
外反不安定性が残存し、保存療法に抵抗する場合には、観血的療法が選択されます。