肩関節複合体を考える|フィジオ福岡 解剖生理を考える

肩関節は関節複合体とも呼ばれているように腕の動きは複数の関節で動き、1つの関節だけで動くものではないということが非常に大事です。
肩の動きはいろいろなところが動いて遂行される動きですから、どこかが動かなくても見かけ上は普通に動いているようにみえてしまいます。

肩の動きを100とするならば、それぞれの関節で100の動きを分担。

肩関節は肩甲上腕関節、肩甲胸郭関節、第2肩関節、胸鎖関節、肩鎖関節の5個の関節で1つの動作をしますから、考え方として大事なのはそれぞれの関節動作の足し算ということ。
肩の動きを100とするならば、それぞれの関節で100の動きを分担します。
それがどこかが欠けてしまったら、欠けた分をどこかが補わないといけない。
それが集中しやすいのが、一番動きやすい肩甲上腕関節ということになります。
こうして動きを代償したところにストレスが集中してしまい、慢性的な障害などに繋がっていくのです。
だからこそ、障害部位として多いのは肩甲上腕関節になるのです。

肩甲骨の評価はモビリティーとスタビリティーの要素をどう捉えるかによる。

また、肩甲骨の動きを評価するのは非常に大事です。
肩甲骨は動けば動くほどいいのでしょうが、動くことと同じように固定する能力も大事です。
つまり、固定して安定させる。
この能力は非常に重要な要素となります。
肩甲骨の評価としてはこのモビリティーとスタビリティーの要素を評価していきます。
また肩関節の安定化機構としては①肩甲上腕関節の機能的特徴、②関節包、腱板機能、③肩甲胸郭関節の機能があります。
①と②は関節窩に対して骨頭を求心的に保つ働きを行うのに対し、③は関節窩を運動方向に向ける働きを行っています。
これらの安定化機構がうまく働いているからこそ、機能的な肩関節の動きが可能となります。
肩の評価にはこの安定化機構の働きを忘れちゃいけませんね!

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