姿勢反射

多くの運動は、その運動を行うために適切な姿勢に支えられて初めて可能となります。

私たちの体は全く動かずに直立することはできず、常に前後左右、上下に動いており、この様な動きに速やかに対応し、多くの骨格筋が働いて全身のバランスを保っています。

これは中枢神経系の仕組みによって行われており、脳幹にある姿勢反射中枢や脊髄の反射、小脳や大脳によって姿勢制御が行われています。

どのような姿勢反射があるのでしょうか?

前庭脊髄反射

頭が傾いたり、位置が変わったりすると、内耳の前庭にある耳石器のレセプターが反応を感知し、延髄の前庭神経核に信号を伝えます。

この信号が頸髄や胸髄、腰髄に送られ、神経細胞の活動を調節します。

傾斜のある地面で頭が傾くと、傾いた下側の上肢と下肢の伸筋の活動が高まって、屈筋の活動は抑制されます。

反対の上・下肢は反対の動きが起こり、これを前庭脊髄反射や緊張性迷路反射と呼びます。

また、頭部が運動していろいろな方向に回転すると、内耳の半規管が動きの加速度を捉え、前庭神経核に信号を送り、反射性に脊髄の神経細胞に出力することで上・下肢の筋肉の活動を調整します。

この前庭脊髄反射によって、体が動いていても全身のバランスは保たれます。

頸反射

頸反射は頸部が一方向に傾くか、回転、前屈・後屈などの動きをすると、頸部の筋にある筋紡錘が延髄と脊髄に信号を送り、反射性の出力が四肢の筋肉に伝わることで、顔が向いた方の上・下肢の伸筋が働き、屈筋の活動が弱まるという反射です。

野球の試合を見ていると、左にグローブをつけている選手がジャンプしながらキャッチするときに左側を伸ばし、右側を曲げている状態をよく見ると思いますが、これも頸反射です。

日常においては、前庭脊髄反射と頸反射は同時に起こることが多く、互いに干渉が生じます。

この2つの反射の干渉が安定した姿勢の維持を生み出し、小脳によって大きさや時間経過が調整されるので、小脳に問題が発生すると姿勢制御ができなくなります。

 

姿勢反射は他にも猫の立ち直り反射(猫が仰向けで空中に放り出されても、着地する反射)などがあり、2足歩行である人間以外にも備わっています。

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