腰への負担とleg lift・back lift

日常生活において立位から前屈みになる動作は腰に負担がかかりやすいです。

床に落ちているものを拾ったり、犬を抱きあげたりする動作がこれにあたります。

この際の上げる方法として、leg liftとback liftがあります。

どちらの方が腰への負担は少ないのでしょうか?

leg liftとback lift

leg liftとは股関節と膝関節をしっかり曲げて上体が起こされている、いわばスクワットのような動作です。

丁寧に説明すると、体幹の傾きの変化をできるだけ少なくし、下半身の屈伸をメインに上げる動作のことを言います。

back liftとは下半身の動きはほとんど動かさずに体幹の傾きの変化や脊柱の運動に頼った動作です。

ものを持ち上げて腰が痛いと言う人はback liftで挙げていることが多いため、leg liftの獲得をする必要があります。

しかし、leg liftは股関節との仕事の分配が適切に行うことができないと、膝関節への負担が大きくなります。

back liftは脊柱の屈曲・伸展による仕事が大きいため、屈曲位の腰椎には過度な負担がかかります。

この屈曲位は腰背筋群の屈曲弛緩に繋がったり、椎間の靭帯や筋などの後方支持機構へのストレスを大きくしたりするため損傷の原因になります。

また、股関節伸展位でのback liftは大腿直筋の活動量が低くなることが知られているため、骨盤後傾が助長され腰痛の原因になります。

小さなものにご注意を

小さなものを持ち上げる際は股関節をより深く曲げ、体幹をより大きく傾ける必要があります。

leg liftを行うことができる人でも小さなものを持ち上げる際に、腰椎を屈曲せずにもち上げることは難しいです。

この対策として、しっかり体幹を安定させることとシングルレッグルーマニアンデッドリフトのような形で持ち上げられるようにすることです。

ものを持ち上げる動作を行うときに「どっこいしょ」と言うことはありませんか?

この「どっこいしょ」と言うことは決して恥ずべきことではなく体幹を安定させる簡単な一つの方法です。

「どっこいしょ」と言うことによって、咽頭を閉じて怒責が生じています。

怒責とは息をつめることで、胸腔内の圧を高め腹圧を上げて体幹を守っています。

「どっ」で息を堪え、「こい」で少し息を堪え、「しょ」で息を堪えるのを解放します。

これによって、姿勢を変えるときに体幹を守ることができます。

シングルレッグルーマニアンデッドリフトのような形を取ることによって、地面についていない足でバランスを取りつつ骨盤が前傾しやすくなり腰椎への負担を減らします。

よって、特に小さくて重量があるものを拾い上げるときは工夫が必要です。

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