胃の不調

飲み過ぎや食べ過ぎは胃の調子を崩してしまう原因となります。通常、胃は空腹のときは0.05リットルほどの容積しかありませんが、食べ物が入ると最大1.8リットルほどにふくらみ、消化酵素ペプシンを含む胃液で細かくした食べ物を、筋の動きによって腸に送り出します。

消化・吸収までの過程

飲み過ぎや食べ過ぎによって、大量のものが胃に入ると、胃液がうすまり、食べ物を細かくするのに時間がかかるため、胃に食べ物が残った胃もたれの状態になります。また、食べ過ぎを続けると、筋の動きも悪くなり、さらに胃もたれが起こりやすくなってしまいます。どろどろになった食べ物は、胃から十二指腸へ直径2ミリほどの幽門を通って運ばれます。幽門では、毎分3キロカロリーずつ十二指腸に送られるようになっており、そうすることで腸でうまく消化・吸収ができると言われています。朝食べたご飯はちょうどお昼時にからっぽになるということになります。これがあるために、食べ過ぎると食事の時間なのに食欲が湧かない、といったことが起こります。

食べ過ぎの科学

また、食べ過ぎは胃に食べ物がなくなってからも食欲を低下させることがあります。胃に食べ物が入ると腸からはCCK(コレシストキニン)、脳からCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌されます。これらのホルモンは、脳に食欲を抑えるよう指令を伝えます。食べ過ぎるとこれらのホルモンが過剰に分泌されてしまうため、胃の中に食べ物がなくなっても、ホルモンの作用が残り、食欲がわかなくなってしまうのです。また、高脂肪食においても、十二指腸からCCKが過剰に分泌されるため、食欲がなかなか戻らない、といったことが起こります。一方、腸では大量の水分が入ると、水分吸収が上手く行えなかったり、腸粘膜から多量の水分が出る異常が起きて、下痢が起きたりします。

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