鉄欠乏性貧血と赤血球

赤血球の中にはヘモグロビンがあり、これが酸素の受け渡しをする本体になります。「貧血」とは抹消血液の中の赤血球数、ヘモグロビンの濃度、ヘマトクリット値のどれかが減っていることですが、一般的にはヘモグロビン濃度(成人男性13.0g/ml、女性11.5g/ml未満)で判断されます。赤血球の数で言えば、つくられる数が少なかったり(生産の減少)、作られる数よりなくなる数の方が多かったり(破壊や消失の増加)すると貧血になります。貧血になると顔色や皮膚の色が白くなります(蒼白)。また酸素が十分与えられないため、息切れや動悸がし疲れやすくなります。ちなみに、たちくらみした時に貧血と言ったりしますが、これは起立性低血圧(立ち上がった時などに血圧が低下する症候)のために脳の血液循環がうまくいかなくなって起こるものであって、貧血とは意味が違ってきます。

一般的で女性に多い貧血が【鉄欠乏性貧血】

貧血には代表的なものとして鉄欠乏性貧血・再生不良性貧血・溶血性貧血などがあります。この中でも、もっとも一般的で女性に多い貧血が【鉄欠乏性貧血】です。鉄欠乏性貧血とは、ヘモグロビン中心には鉄があり、鉄が足らなくなるとヘモグロビンの合成がうまくいかないため、赤血球の大きさは小さくなり、ヘモグロビンの量も減ります。つまり、小球性低色素性貧血の形をとります。原因としては、中学生のころに急に体が大きくなる時期があります。このとき、体の需要に追いつくために赤血球も増えようとしますが、鉄の供給が追いつかないことがあります。また、妊娠をすると胎児の赤血球をつくるため、鉄を胎児の方に取られます。そのため母体の方は鉄が不足しやすいということ。〔鉄の需要増大〕月経血が多い場合、鉄もいっしょに失われてしまうため、体の中の鉄が不足します。〔慢性的な出血〕

鉄欠乏性貧血の原因

繰り返しになりますが、鉄欠乏性貧血とは、文字どおり鉄分の欠乏による貧血であり、最も頻度の高い血液疾患になります。
鉄欠乏性貧血の原因としては
1、需要増大:小児・妊娠
2、排泄増大:月経(特に子宮筋腫があるとしばしば月経過多となります)・出産・慢性出血
3、吸収低下:胃の切除後
が原因としてあげられます。

自覚症状としては、易疲労感・動悸・耳鳴りなどがあり、重症になれば心不全をきたしてくることもあります。逆に緩徐に貧血の進行した例では、かなりの重症でも症状をきたさない場合もあります。これは酸素欠乏に対し組織の順応が起こった結果になります。鉄欠乏により、貧血以外にさじ状爪・舌炎などをきたすことが知られています。治療としては、鉄薬投与になりますが、原因を明らかにする事が重要です。
鉄は口径的にも非口径的にも投与はできますが、通常貧血が改善してからも貯蔵鉄を補充するまで十分な期間投与する必要があるので注意が必要です。貧血の予防・改善には鉄分をしっかり取ることです。そして、ビタミンCを一緒にとると効果的です。ビタミンCは、鉄が腸管から吸収される際に、その還元力により鉄を吸収されやすい形に変える働きがあります。あと、ビタミン12・葉酸、動物性タンパク質と一緒にとるとより良いでしょう。

 

 

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

閉じる