絶食というストレス

飢餓や減量のための絶食もストレスの一種です。代謝に必要なエネルギーが摂取できなくなると、体内に貯蔵している糖質、脂質、タンパク質を動員してエネルギーを確保します。肝臓のグリコーゲンは血糖値を正常に維持し、細胞にエネルギーを供給するために用いられます。しかし、この供給には限度があり、絶食後8〜12時間で肝臓グリコーゲンは枯渇します。脂質(トリグリセリド)もエネルギー源として使われ、肝臓グリコーゲンが減少してくると脂肪組織から遊離脂肪酸の動員が増加します。エネルギー供給、特に糖質が24時間経たれた時、グルコースの給源はほとんど糖新生によるものになります。

絶食とグルコース

脳細胞のエネルギー源はグルコースです。絶食初期の段階では、脳は筋タンパクがグルコースに転化されたものをエネルギー源として利用します。このとき、血中のBCAA濃度は上昇します。アミノ酸は体内に貯蔵できないため、アミノ酸の給源は心筋をはじめとする筋組織やタンパク質を含む体成分が主となります。例えば、酵素、ホルモン、血液タンパク質などです。絶食開始2、3日で、筋タンパクの75gが脳へのエネルギー供給のために動員されます。このとき、タンパク質だけでなく脂肪酸も糖新生によりエネルギー源となります。絶食が長期に渡ると、生体はタンパク質を保持するため、より多くの脂肪をエネルギー源として利用するようになります、そして、肝臓では脂肪酸からのケトン体合成が促進するためにグルコース必要量は低下します。

ケトン体への代謝

脳細胞や赤血球には、いくらかのグルコースが必要とされますが、他の組織のエネルギー源はケトン体が主となります。筋タンパクの異化は続きますが、その速度は遅くなります。この期間のエネルギー給源は脂質から二酸化炭素への代謝によるものが60%、遊離脂肪酸からケトン体への代謝によるものが10%、そしてケトン体の代謝によるものが25%です。その他、絶食時は代謝を低下させることによってエネルギー必要量を節約します。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

閉じる