痛みの元である発痛物質

痛みの元である発痛物質。その中でも代表的なブラジキニンについてご紹介します。

ブラジキニンとは9個のアミノ酸からなるポリペプチドです。発痛物質には、ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、アセチルコリンなどがありますが、その中でブラジキニンは最も強力とされています。

ブラジキニンやプロスタグランジン

ブラジキニンには、B1とB2のふたつの受容体があります。B2受容体は、身体のほとんどの組織に常に存在しており、組織損傷や炎症などといった、ブラジキニンがうみだされるような状況で痛みや浮腫を身体に引き起こします。B1受容体は、組織損傷や炎症などが起こることによって発現する受容体です。作用は、炎症反応の維持やそれに伴う痛みに関与しているとされています。

疼痛や発熱など炎症により起こる症状はさまざまですが、それぞれには共通点が存在します。それはどの症状にもプロスタグランジンという物質が関与していることです。たとえば切り傷や擦り傷などで細胞が傷ついたとします。このとき、細胞内からはブラジキニンやヒスタミンなどの痛み物質が放出されます。これら痛み物質が感覚神経の受容体に結合することで、痛みを知らせるための神経シグナルが発生します。痛みの神経シグナルは脊髄を上行し脳に入り、中継点である視床を通過して大脳皮質に入ります。ここでようやく痛みを知覚します。

つまり、痛みは怪我をした部分で感じるのではなく、そこから発せられる神経シグナルが脳に届くことによって、はじめて痛みを感じるのです。プロスタグランジンは、この神経シグナルを強める働きを持ちます。また痛みだけでなく、発熱やその他の炎症の神経シグナルをも強めています。たとえば、病気のときは熱が出ますが、これはプロスタグランジンが視床下部の体温調節中枢に作用して、体温のセットポイントを高めに設定し、体温を高めることで、細菌やウイルスに対抗しているのです。

プロスタグランジンはさまざまな働きをもち、その役割は、筋の収縮から月経に至るまで、多くの生体化学反応に関わっています。プロスタグランジンはとても大事な物質ですが、細胞が障害や強い刺激を受けたときだけ放出されるという点で、インスリンなどふつうのホルモンとはだいぶ趣が違います。また、痛みが脳周辺で起きている場合、たとえば頭痛ですが、脳には痛みを感知する受容体がないため、脳実質の痛みではありません。脳周辺の血管、髄膜、骨膜、皮膚、筋肉にはその受容器があり、これらが痛みを感知し、神経シグナルを発生させ、それが大脳皮質に届けられ、痛みを感じます。

鎮痛薬の主成分

皆さんが普段よく目にする鎮痛薬の主成分であるイブプロフェンやアスピリンはこのプロスタグランジンの産生を抑制する作用を持ちます。痛みはいやなものですが、うまく付き合っていくために痛みの内面を知っておくのも大事なことではないでしょうか。痛みを知ることは、自分の体をよりよく知ることにつながります。痛みを正しく理解して、上手に付き合っていきましょう。

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