脂肪の働きを考える!

それは人類の歴史をさかのぼること数百万年、人類が原始時代を生き抜いていた頃からの話になります。その時代は狩猟をしたり、農耕を始めたりして食べ物を手に入れていましたが、狩猟に失敗したり、天候の異変などで常に飢えと隣り合わせの生活でした。そのような厳しい生活を生き抜くために、体は取り込んだ栄養を効率よく脂肪に換えて体内に貯蔵し、食糧不足になった時にエネルギー源として使うシステムを構築してきました。

今でこそ飽食の時代といわれていますが、食生活が豊かになったのは最近の話です。人類は長い間飢えと戦い続け、そのシステムは依然として私達の体に備わっているのです。

中性脂肪やコレステロールは悪か?

このシステムはそもそも生き抜くために人類が構築したものですが、飽食の時代になった事で逆に作用し、太りやすい体質が健康を害するようになってしまったのです。

中性脂肪やコレステロールというと、生活習慣病の元凶として何かと悪者扱いされています。確かにどちらも増えすぎると健康に悪影響を及ぼしますが、本来は体に必要不可欠な成分です。ダイエットして中性脂肪やコレステロールを減らしたいと思っている人にとっては、中性脂肪やコレステロールの役割など興味ないかもしれませんが、せっかくですからこれらが体内でどんな働きをしているのかを学んでみましょう。

まず、脂肪の代名詞ともいえる中性脂肪についてですが、これはエネルギーとして使わなかった栄養を中性脂肪という形で合成し体内に貯蔵したものです。普段あまり中性脂肪がエネルギーとして使われている実感がありませんが、元気に毎日生活していられるのはこの中性脂肪がエネルギー不足時に燃焼しているからです。そのため、ガリガリにやせた体型の人など中性脂肪が過度に不足してしまうと元気がなくなり、活動が鈍くなってしまいます。さらに不足が続くと老化が進んでしまう事もあります。また、中性脂肪は皮下に一定量が蓄積することで外部からの衝撃を和らげたり、体温を一定に保つ役割を果たしています。

一方、コレステロールは細胞膜や性ホルモンなどの原料として必須の物質です。細胞には細胞膜があり、この膜がしっかりしていないと細胞の本来の働きが失われてしまいます。人間の体は約60兆個の細胞で成り立っていますから、コレステロールが不足した場合の影響は計り知れません。また、コレステロールは男性ホルモンや女性ホルモンなど、性ホルモンの原料になっており、これらのホルモンが不足すると心身の老化の原因になってしまいます。このほか、コレステロールは脂肪分やビタミンの吸収を助ける胆汁酸の原料にもなっており、健康維持にとって欠かせない存在といえます。健康維持や生活習慣病予防のためには必ず脂肪分の摂り過ぎが問題になります。特に最近では健康ブームによって脂肪分摂取に警戒感が高まっており、油の摂取を控えようとする人が増えています。なかには炒め物などにも油を使わないようにし、油の摂取を徹底的に控えている人もいます。

油をいかにとるか

確かに脂質の過剰摂取は肥満や動脈硬化の原因になり、生活習慣病を引き起こします。しかし、健康維持にとって脂質が悪者かというと、決してそうではありません。中性脂肪やコレステロールが健康維持に必要不可欠な物質であるのはもちろんの事、サラダ油などに含まれているビタミンEも健康維持に役立っています。ビタミンEには強力な抗酸化力があり、体内の有害な活性酸素を抑えるなど老化防止に役立っています。人は必要とするビタミンEの多くを食用油から摂取しているため、食用油を過剰に控えすぎる事はビタミンEの不足にもつながります。また、ビタミンには脂溶性と水溶性があり、脂溶性ビタミン摂取には油が不可欠です。

せっかく脂溶性ビタミンを多く含む野菜を調理しても、油を一切使用しなければ効率よく摂取する事ができません。
油をいかにとるかということも健康を理解すると考えなくてはならないことになるんですね。

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