妊娠中の運動について

妊娠中は、酸素需要が増加するのに並行して、エネルギー基質の需要も増加します。一般的に妊婦は、生体機能の拡張に対するホメオスタシス維持のために代謝が亢進するのに伴い、1日当たり約300Kcalのエネルギーを余分に消費します。

妊婦は妊娠していない場合に比べて、運動時の糖質消費の割合が高いとされており、したがって、妊婦はバランスのとれ、且つ栄養価の高い食品と十分な水分を補給することが必要となるでしょう。また、微量栄養素も十分に摂取する必要があります。

妊娠で増加した基礎代謝率と熱産生はトレーニングを実施することによりさらに増加します。妊娠初期の3ヶ月間はトレーニングに関連した体温上昇が良く見られます。この期間の妊婦には、熱放散を促進させるために、水分補給や着衣、運動の環境を整えてあげる必要があります。

絶対的禁忌

運動がいくら健康や体力レベルを増進させることができても、いくつかの場合では絶対的禁忌にあたります。心疾患、破水、早期の陣痛、多胎、出血、前置胎盤、頸管無力症などがあります。

また、医師によって評価されるべき相対的禁忌事項として、I型糖尿病、てんかんなどの発作、高血圧、甲状腺機能亢進症、極度の肥満・低体重、不整脈、貧血、多量の喫煙習慣、慢性気管支炎、整形外科的運動制限などが挙げられます。さらに、運動中に労作時呼吸困難、頭痛、原因不明のめまい、胸痛、下腿の痛みや腫れ、羊水の流出がみられた場合、専門医に相談する必要があります。

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