脳とコンピューターの処理の違い

脳は、莫大な量の情報を絶えず処理しています。その大量の情報を脳はどうやって処理しているのでしょうか。「物をみて、形を記憶する」という処理を例にコンピューターと比較してみたいと思います。パソコンは、その「物」の画像を細かいドットに分けて認識します。その処理は「CPU」という高速な計算装置が、一つずつ順番に計算をこなすことで行われています。CPUは記録する機能をもたないので、「メモリ」や「ハードディスク」といった記録装置に途中経過をしながら情報を処理します。そして画像は最終的にハードディスクに保存されます。

神経回路がCPU、「ワーキングメモリ」がメモリ、大脳皮質や海馬がハードディスクのようなもの

コンピューターがあつかう情報はすべて「0」か「1」で表現されるデジタル情報で、その情報処理は速く、正確で、適当さや曖昧さはありません。一方、脳の場合、目で見た「物」の映像は、網膜にある細胞で電気信号にかえられ、視神経を通って、脳に届きます。そして、視覚情報を処理する「視覚野」という領域で、特定の神経細胞のネットワークが働くことでその「物」の画像として認識されます。そして海馬の助けをかりて大脳皮質へと記憶されます。脳にはCPUやメモリに単純に対応する部分はありません。あえていうならば、神経回路がCPU、一時的に記憶を保存する大脳皮質の一部「ワーキングメモリ」がメモリ、大脳皮質や海馬がハードディスクだということもできます。

神経回路とコンピューターの違い

また、神経回路はコンピューターと違い、情報を分散して同時並行で処理します。
非常に複雑な処理方法になっているのです。人間の意識にのぼる脳の活動は全体の活動のほんのひとにぎりだと考えられています。また、自覚できない脳の活動は、人が意識的に決めたと思っている行動や意志にも影響を与えていると考えられています。記憶や感覚などのさまざまな情報が、脳のなかでどうやって処理されているのかは詳しい仕組みは分かっていません。

脳はデジタルな情報とアナログな情報をおりまぜながらあつかっています。
脳は、コンピューターに比べて情報処理の速度は遅く、正確さも劣りますが、不完全な情報から答えを導き出したり、あっと驚くような「創造」や「閃き」を生み出すことが脳の優れた素晴らしい部分ではないでしょうか。

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