呼吸時における肋骨の動き

肋骨は12対の弓形を呈する平たい骨で構成され、後方は胸椎につながり、前方は浮遊肋を除き、胸骨に直接又は間接的に軟骨を介してつながっています。その肋骨は上方、下方、浮遊肋の3つの部位に分けられ、それぞれに特徴的な動きをしているものです。

肋骨の動き方

1つめの動きは「ポンプハンドルモーション」。これは上方部の肋骨の動きで、胸郭前後の奥行きが広がることを指します。2つめの動きは「バケツハンドルモーション」。これは下方部の肋骨の動きで、胸郭の横幅が広がることを指します。最後3つめの動きは「キャリパーモーション」。これは浮遊肋の動きで、キャリパーの手のように動くのでそう呼ばれるものです。

上方肋骨の動き「ポンプハンドルモーション」は、胸椎の横突起の一部である横突肋骨窩と、肋骨頸にある肋骨結節の二つの関節面で作られ、肋骨結節の中心を軸として回転します。
一方、下方肋骨の動き「バケツハンドルモーション」は、胸椎の横突起の一部である横突肋骨窩の関節面が平たいため、回転する代わりに上下に滑り起こることになります。

このように1回の呼吸運動は非常に複雑な肋骨の動きを伴うものである。上部肋骨、下部肋骨、そし浮遊肋。それぞれの特徴を知った上で呼吸時の動きの観察をすることが求められる。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。