内臓操練法

みなさんは、内臓操練法という言葉を耳にしたことはありますか?この鍛錬法は、肥田式強腱術の中に存在する呼吸法です。

内臓を鍛える

【腹圧増進、意識的体内加力による刺激で内臓の活性化、さらに内臓を強靭なものへと化する鍛錬法】

まず知ってもらいたい事は、内臓は、心臓や血管など血液を体内に巡らせる“循環器”、胃や腸など食べ物を消化・吸収する“消化器”、肺や気管などの“呼吸器”、腎臓や膀胱などの“泌尿器”に大きく分けられる。
生理的な面から見ても、人間というものは、横隔膜を境に上と下とで臓器の質が違っているんです。
横隔膜より上は、肺や心臓(循環器、呼吸器)、横隔膜より下は、胃や腸、腎臓や膀胱(消化器、泌尿器)というように上下に分けられ、上は肋骨という鎧に保護されています。
反対に下は、筋肉によって守られています。
別の言い方をすると、筋肉によって守られている横隔膜より下の内臓は、筋肉と連動して稼動することができる“運動性”臓器だと思います。

つまり、内臓を鍛えるということは横隔膜より下の運動性臓器を中心に動かすことが主になっています。

腸の動きや働きを知ること

近年は腸内善玉菌の存在が注目されるようになって、ビフィズス菌とか乳酸菌とかを摂取する食品も開発されているけれど、元々腸にあるものだから外から入れようとするのではなくて、腸そのものの働きを高めるという考えも多く出てきています。
そのためにはやはり、腸の動きや働きを知ることが大切になってきます。

腸は、“蠕動”という細かな伸縮運動をしているんですが、これが弱くなるから腸内の消化活動が悪くなって、腐敗菌が生じるとされています。
そもそも体の中にある臓器は表層にある皮膚や筋肉と違って触れることはできません。
では、腸運動を活発化させることで腐敗菌の発生を抑えるにはどうしたらいいのか?
それは、体内で大きく動く横隔膜を動かして腸への働きを活発化させることが大事とされています。

横隔膜はそれ自体を直接、意識的に動かすことはできません。
しかし、肋骨の間に付いている肋間筋等いわゆる呼吸筋と呼ばれる周辺の筋肉群を動かすことによってコントロールしていくことが可能です。
意識的呼吸による横隔膜の動きを主軸に、周辺筋肉群を総動員して下腹部へ腹圧をかけていきます。
そうすることで腸の運動が起こります。
腸は腸神経という独自の神経系を持っているので、腹圧がかかると腸神経に刺激がいって働きが良くなるのです。
横隔膜を拡張し、上下に伸縮させ大きく動かすことにより内臓のマッサージをしていきます。これが内臓操練法です。

内臓操練法
1、胸式呼吸 (胸郭を広げて大量に息を吸う)
2、横隔膜呼吸 (息を吐きながら、服直筋等の前面筋肉群を使って横隔膜を引き下げる)
3、肺底呼吸 (息を吐きながら、腰を反らせる事により背面筋肉群を使って横隔膜をグっと引き下げる。)
こういった三つの呼吸法によって横隔膜を大きく活用し内臓を活発に活動させることができます。

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