脂肪とは何か?
健康面でも美容面でも「脂肪」という名前が出ていますが、そもそも脂肪とはなんでしょうか。お腹のお肉をぐいっと引っ張ると「これが脂肪」といえますが、人間の体内に存在する脂肪には、中性脂肪、脂肪酸、コレステロール、リン脂質の4種類があります。
この中でもっとも身近な脂肪が中性脂肪で、豚肉や牛肉などについている白い脂身もこの中性脂肪です。この中性脂肪が皮膚の下についたり、内臓のまわりについたりすると、皮下脂肪や内臓脂肪などと呼ばれます。
脂肪の正体
体内に存在する脂肪の9割近くがこの中性脂肪であり、ダイエットで減らさなければならないのもこの中性脂肪になります。この中性脂肪は脂肪酸とグリセリンと呼ばれる物質が結合してできており、体がエネルギー源を貯蔵するために作ります。
そのため、運動などでエネルギーが不足すると蓄えられていた脂肪が分解・燃焼し、エネルギー源として使われます。
このほか、体内の脂肪成分にコレステロールやリン脂質があります。
コレステロールは健康面でよく聞く名前です。
あたかも健康にとっては悪者で体の中にはいらないような感じがしますが、コレステロールとリン脂質は体の細胞膜を構成したり、性ホルモンをつくる原料になったりと、生きていく上で欠かせない成分なのです。
このコレステロールが血液中で過剰になると、動脈硬化などの病気を引き起こす原因になります。中性脂肪は脂肪細胞の中に蓄えられているエネルギー源であり、専門的には「トリグリセリド」といいます。
中性脂肪はアルカリ性でも酸性でもなく、その中間の性質をもっているために「中性脂肪」と呼ばれています。血液検査などで「中性脂肪が高い」と言われた場合は、血液中にこの中性脂肪の量が増えすぎているという意味であり、肝臓で中性脂肪が増えすぎた状態を「脂肪肝」といいます。
皮下脂肪と内臓脂肪
皮下脂肪はその名の通り皮膚のすぐ下についている脂肪で、指でつまんだ時につかめるのが皮下脂肪といえます。女性は妊娠・出産に備えるためにこの皮下脂肪がつきやすく、女性の美しいボディラインを形作っているのもこの皮下脂肪なのです。
「内臓脂肪」と聞くと心臓や肝臓など臓器の中にたまった脂肪をイメージしてしまいますが、実はそうではありません。
内臓脂肪は一般的に腸を覆っている「腸間膜」という薄い膜の周りについています。腸間膜にはもともと脂肪などついていませんが、食べ過ぎて中性脂肪が使いきれない場合は、小腸から近いこの腸間膜に内臓脂肪として蓄えられてしまいます。
このように内臓脂肪はエネルギーが余った際にたまりやすいのですが、逆にエネルギーが不足した場合に使われやすいという特徴もあります。
最近では内臓脂肪の過剰な蓄積が健康に影響を及ぼす「メタボリックシンドローム」が注目を集めています。また、男性ホルモンは筋肉量を増やすとともに、内臓脂肪を蓄積させる働きがあります。筋肉が体重に対して女性より多い男性は、筋肉を動かすエネルギーとなる内臓脂肪を持ちやすい傾向にあります。
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