皮膚移植

臓器移植が脳死問題とからんでよく議論される昨今、肝臓や腎臓、心臓まで血のつながった親兄弟から移植する事例はよくあります。
ところが他人の皮膚の移植は極めて困難だとされています。
顔面など目立つ部位にできた傷を隠すために皮膚移植する場合には当人のお尻の皮膚などあくまで本人の皮膚を用います。
これを自家移植といいます。

他人の皮膚を移植するのは難しいのか

ではなぜ、他人の皮膚を移植するのは難しいのか?

問題になるのが、免疫機能による拒絶反応です。
臓器移植の場合も、他人の臓器を侵入者と認識した免疫機能がそれを排除しようします。
だから、免疫力を抑えるような薬を併用しながら、なるべく移植を受ける人に近い生物学的組織を持つ人、たとえば、近親者からの臓器移植、などというのが通例になっているようです。
皮膚に関しては、皮膚そのものが、免疫システムの最前線を担う臓器であるり、環境と整体の境界を形成する臓器のため、表皮の中には長く細かい枝を張り巡らせているランゲルハンス細胞という異物監視機能があります。

免疫機能としては大変優秀な機能だけど、移植となるとやはりその優秀な機能がアダになってしまいます。
移植という技術はすごい技術ではある反面、難しい問題がたくさんありますね。

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