神経系モビライゼーションとは

モビライゼーションとは関節包内アプローチの一種で、関節機能の異常などに離開や滑り運動を用いて治療する手技となります。関節モビライゼーションの他にも、主に筋膜に対してアプローチする軟部組織モビライゼーションや神経系モビライゼーションなどがあります。神経系の機械的、生理学的な機能異常に注目して患者の問題を解決することを目的としたアプローチが神経系モビライゼーションとなります。

神経系モビライゼーションの対象

神経系は、神経伝導に関与する伝導組織と伝導組織を保護する結合組織からなります。神経系モビライゼーションの対象は主としてこれらの伝導組織や結合組織となります。

神経系は滑走と伸張によって身体運動に適応します。滑走とは神経系と神経系をとりまく周囲組織との間の運動であり、神経系の滑走は神経系をとりまく周囲組織や物質によって阻害されます。
一方、神経系の伸張による適応は、神経系内のさまざまなレベルで生じます。

個々の神経幹は神経束から構成されますが、その神経束も直線的に走行するのではなく、蛇行しながら走行し、ある程度の伸張に耐えうる構造となっています。1本の軸索とミエリン鞘のレベルでも、神経線維が伸長されたときに、ミエリンの切れ込みが拡大することによって伸張ストレスに適応できるメカニズムとなっています。

身体運動に対する正常なメカニズム

身体運動に対する正常なメカニズムが障害されると、可動域障害や痛み、しびれ、伝導障害などが生じます。神経系の治療の最終目的は、神経系の可動性および伸張性を回復させ、神経系の感受性を正常化させることにあります。すべての障害の治療はある程度神経系を考慮する必要があります。神経系は症状は出現させたり、筋スパズムのような運動を出力させる経路であり、また自律神経反応の経路となります。
神経系モビライゼーションに適する障害は、大きく分けて生体力学的障害または炎症反応に起因するものに分けられます。

圧迫された神経や異常に固着した硬膜靭帯は前者の例であり、神経内腫脹や硬膜過敏は後者の例となります。
また、治療指針として疼痛易感受性障害と疼痛感受性障害ではない障害に分けられます。
疼痛易感受性障害では、損傷部位から少し関連する関節や筋、筋膜、皮膚などの組織の治療によって伸展徴候を変化させることができると言われています。

これらの組織に対して神経系を適切に動かすには、対象者は力を抜き、楽にしておく必要があります。
これは疼痛緩和肢位をある程度長時間とらなくてはならないことを意味しています。
また、神経系に最も影響する組織は筋であるとされています。

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