腸内細菌の餌も糖質だった!

人間のからだは、約60兆の細胞で構成されます。一方、人間の腸内にいる腸内細菌の総数はその10倍の600兆を超え総重量は1kgにも及ぶと言われています。この多数、多量の“共存者”たちは、宿主である私たちと影響し合って生きています。

腸内細菌のコンディション

例えば、ある研究では、「高カロリーな食事を3日間続けただけで、エネルギーの吸収効率を上げて肥満を助長するように働く“肥満菌”が増えてしまう」ことが確認されました。もちろん以前から知られている通り、便秘や下痢、腸の感染症にかかりやすいかどうか……といったことには、腸内細菌のコンディションによるところが大きいと言えます。

腸内細菌は、人間が消化・吸収した“残りもの”を餌にしています。でんぷんの中でもなかなか消化されない「難消化性でんぷん」や食物繊維は、腸内細菌のごちそうです。難消化性でんぷんは、ご飯やパン、スパゲッティなどの穀類、じゃがいも、豆類などに含まれています。これらを食べた腸内細菌は、「短鎖脂肪酸」という成分を生み出します。実はこれ、とっても大切です!短鎖脂肪酸は、腸の細胞のエネルギー源となり、細胞の生まれ変わりを促すことで、キレイで丈夫な腸を作ってくれます。また、腸内を酸性に傾けて、あまり増えてほしくないタイプの腸内細菌が住みにくい環境にしてくれるんです。

糖を摂って腸内環境を整える。

また、酸の刺激で腸の動きが良くなるので、お通じの改善作用が期待できます。短鎖脂肪酸ができると、腸管からのカルシウムなどのミネラルの吸収が促されることも分かってきました。この短鎖脂肪酸はオリゴ糖を摂取すると、腸内細菌の餌となり腸内に作られます。糖を摂って腸内環境を整えるイメージはなかなかないかもですが、腸内細菌にとっても糖は大事な栄養素ということです。

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