シナプスの整理

脳が神経細胞の塊であることはもはや当たり前になっています。
脳の神経細胞同士の情報のやり取りは、「シナプス」といわれる接合部によって行われています。一つに神経細胞につき、数万個、あるいは数十万個といったシナプスを持っていることがわかっており、つまり脳の神経細胞同士のつながりは本当にネットワークのようにつながっていることがわかります。これらの膨大なシナプスが別の神経細胞とつながり、目まぐるしい速度で情報交換を行う、それが脳で起こっている生命の仕組みなのです。

シナプスは増殖し続けるのか?

当然ながら、人が起きている間はとにかくシナプスは増える一方。それは外部情報の処理や生体システムをコントロールするために常にシナプス間での情報伝達を行う必要があるからで、覚醒中は休む暇のないくらいずっと働いているものです。常に新しい刺激に対し、新しい回路がつながっていく感じです。

刺激が入れば入るほど、新しいシナプス回路が生まれ新しいネットワークが構築されていく仕組み。これがこのまま続いていくと、すべての神経細胞が繋がることになりそうですよね。
ですが、実際のところ、シナプス活動の強度は一定を保ち、増殖だけをしていくものではないこともわかっています。

脳の恒常性

つまり、増えるだけではなく減っていくこともあるということ。シナプス連結が永遠に増え続けると脳のシステムは破綻していきます。
脳みそだって、許容量があるから。オーバーワークで機能停止してしまわないように、睡眠中にシナプスの活動強度やシナプスの連結数などを調整してバランスを保っているのです。
寝てる間にも脳の中ではこのような仕組みでシナプスの最適化が行われ、脳の機能を維持しながら、恒常性を保っているのがすごいところですね。

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