前脛骨筋の歩行中の活動タイミング

歩行中、前脛骨筋は、2つの活動タイミングがあります。

最初のタイミングは踵接地時です。

踵接地時、踵骨の後部に加わる体重によって他動的に生じる足関節底屈力を減速させるために、前脛骨筋は強い遠心性収縮を起こします。

前脛骨筋をはじめとした背屈筋の遠心性収縮がなければ、踵後部に加わる他動的な力に耐えきれず、フットスラップ(前足部で地面を叩くような歩行)を生じます。

また、前脛骨筋は踵接地から足底接地の間に足部回内の減速にも働くかもしれないと示唆されています。

歩行中の前脛骨筋の2つ目の活動タイミングは、遊脚相における足部背屈です。

これによって遊脚相において足指が地面から開放され、スムーズなスイングが起こります。

背屈筋の筋力低下は下垂足を引き起こすため、代償として遊脚相の膝関節と股関節の屈曲が過多になります。

また、他にも身体の伸び上がりや股関節のぶん回し、ヒップハイキング(遊脚中の同側骨盤の挙上)などが起こり得ます。

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