腸骨大腿靭帯の弛緩とその評価
腸骨大腿靭帯は、股関節のなかで最も強度が高い靭帯です。
これは、股関節の関節運動が大腿骨頭の前方への推進力を生みやすいことに一部由来するとされています。
したがって、腸骨大腿靭帯を切開すると、股関節の前方不安定性が増加することが知られています。
つまり腸骨大腿靭帯の弛緩は、大腿骨頭の前方不安定性を惹起すると言えます。
この腸骨大腿靭帯の前方安定力の貢献は関節唇よりも高いとされています。
腸骨大腿靭帯を含めた前方関節包の弛緩性は、仰臥位、足関節背屈位での外旋にて評価します。
一般に、前方関節包の弛緩性を有する人はこの肢位での外旋可動域が過剰であるとされ、これは安静仰臥位の外旋角度でも観察されます。
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