下顎姿勢筋としての咀嚼筋

咀嚼筋はその名の通り咀嚼時に活動する筋ですが、安静時の下顎の位置決めを行う下顎の姿勢筋という役割も担います。

通常、安静時では下顎骨は自身の重さによって下方へ落ち若干の開口が起こります。

このときに咀嚼筋が働き、開口をある程度の範囲でおさめます。

この働きに最も貢献する筋は側頭筋であり、大きく複数の筋走行からなるため、下顎の位置制御とともに、顎関節の安定化や負荷軽減、歯種によらない咬合力の産生などさまざまな働きを持ちます。

側頭筋は咬筋と同様に同側の収縮で下顎骨を同側に変位させますが、垂直線維と水平線維による個々の作用も報告されており、垂直線維はこうした働きのほか下顎の前突に、水平線維は下顎の後退に働くとされています。

内側と外側の翼突筋はどちらも下顎を対側に変位させ、特に外側翼突筋は強い前方突出や関節位置覚などに関与しており重要であると考えられます。

また、外側翼突筋はその形状から変位に強く影響するとされています。

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