腕橈関節のスクリューホームメカニズム
膝関節は最終伸展30°付近から下腿の若干の外旋が起こり、最終伸展時に安定した肢位へと収まります。
この働きをスクリューホームムーブメントと言いますが、肘関節にも同様なメカニズムが見られます。
前腕の回内時、特に肘関節が伸展に近い状態のとき、円回内筋を始めとした筋群が、橈骨頭に上腕骨小頭への圧迫力を生み出します。
この圧迫力は回外時よりも回内時に大きく、橈骨はより近位へ牽引されます。
骨間膜は、相対的に回内時に弛緩するため、回内筋の収縮により橈骨に対する牽引力はあまり抵抗されません。
自動的な回内運動の際の橈骨の自然な牽引とこれに関連する腕橈関節に生じる圧迫力の高まりが、肘関節のスクリューホームメカニズムになります。
こうしたメカニズムが存在する理由のひとつとして、腕で行われるほとんどの運動で腕橈関節の運動を必要とするためであろうとされています。
研究では、腕尺関節に比べると腕橈関節で、より高頻度かつ重篤な変性が生じる可能性が高いと示唆されています。
したがって、腕橈関節の痛みや運動制限は、上肢全体の機能を制限すると考えられます。
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