複合性局所疼痛症候群(CRPS)とは

複合性局所疼痛症候群(Complex regional pain syndrome:CRPS)とは、何らかの怪我や外傷のあとに不釣り合いに強い疼痛が残ってしまう病態です。

一般的には外傷治癒後に続く病態ですが、明らかに原因となる外傷がなくとも発症することがあり、また、外傷が軽微であってもCRPSへと発展することもあります。

疼痛や痛覚閾値の低下、浮腫や発汗障害、皮膚温の異常などさまざまな症状が現れるといわれています。

末梢神経障害や交感神経系の障害に加え、中枢神経系や社会心理的要因も大きく影響していると考えられています。

その中で、患者の疼痛回避行動は、CRPSを憎悪させてしまう要因のひとつだと考えられており、初期の外傷後、痛みがあることで積極的に動くことがなくなったり、安静にしすぎてしまうことで、患肢の不使用を引き起こし、皮膚や筋の萎縮、浮腫といったCRPSの特有な症状・徴候の出現に繋がります。

このため、CRPS治療に運動療法が必要であり、自発的なゆっくりとした運動を中心としたプログラムが導入されます。

患肢の使用は当初、痛みを強くすることがあるかもしれませんが、数日後には改善することが多いとされます。

また、浮力や静水圧を利用した水治療やリラクゼーション手技、認知行動療法など、多角的なアプローチが必要であるとされています。

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