神経系の適応は筋活動に依存するか

トレーニング開始初期は神経系が促通され、筋横断面積増大を伴わない筋力増加が見られることは今や一般的に言われています。

この神経系の適応についてGuang YueとKelly J. Coleによる非常に興味深い研究があります。

神経系の適応は筋活動に依存するのか?というものでしたが、その方法として、小指球筋を対象に、随意収縮トレーニングと全く収縮させないただのイメージとでどのような違いがでるか調べました。

小指球筋をトレーニングさせたグループと、トレーニングさせずに筋力テストのみを行ったグループ、筋を活動させずにトレーニングを「イメージ」させたグループとに分けて4週間の期間を設けました。

その結果、随意的にトレーニングさせたグループでは、4週間で30%外転力が増加しました。

テストのみのグループでは、単純にテスト方法を学習し、筋活動の課題になれたために最大筋力が3.6%増加しました。

そして驚くことに、イメージトレーニング群では最大筋力が22%も増加しました。

この結果から、神経系の適応は筋活動だけに依存するのではなく、運動をとりまく一連の環境の影響も受けるということがわかりました。

また、対側の非運動側の小指の外転筋力を測定したところ、トレーニング群とイメージトレーニング群では、外転筋力の増加がみられましたが、非運動群では筋力増加はみられませんでした。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。