腰椎の靭帯と反射システム

腰椎の靭帯はこれまで、脊柱の安定性を高めるものとして分類されてきました。

しかしLucasとBreslerの研究によると、筋の支持を失った脊柱はわずか2kgの負荷で曲がり、靭帯の脊柱の安定性への関与がわずかでしかないことを示しています。

言い換えると、靭帯は腰部の安定のために、最小限の働きを与えていることになります。

それでは腰椎の靭帯の主たる働きはなにかというところで、反射回路の一部分をなしているのではないかという仮説が浮上しつつあります。

その根拠として、腰部の靭帯に感覚受容器の存在が認められること、脊柱の棘上靱帯-多裂筋間には反射システムが存在していることが挙げられます。

棘上靱帯に負荷がかかると多裂筋が収縮する反射的な防御システムがあるとされ、ある研究者は、これと類似するシステムが椎間板や椎間関節包、他の腰椎の靭帯にも存在すると考えています。

これらは、実際に腰痛患者において筋力だけではなく、神経筋制御の破綻が起きていることからも、ある程度有力な説なのではないかと考えられています。

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