顎関節と感覚情報

咀嚼運動のための筋は、その大きさに基づいて主動作筋と補助筋に分けられます。

主動作筋は咀嚼筋とよばれるとおり、咬筋、側頭筋、内外の翼突筋であり、補助筋は舌骨上筋群や舌骨下筋群となります。

咀嚼の主動作筋は三叉神経から分枝する下顎神経の支配を受けますが、顎関節部の滑膜や関節円板内の中央部は神経支配を欠きます。

しかし、関節円板、関節包、側副靭帯や後方円板の組織には機械受容器が存在し、加えて口腔粘膜、歯周靭帯、筋の機械受容器と感覚神経は、神経系に豊富な固有感覚情報を伝達します。

この感覚情報は、咀嚼や発話時に歯による外傷から口腔の軟部組織を保護する役割や、顎関節や頭頸部の筋の機能的協調性を同期させる神経筋反射の調整を助けます。

こうした事実は、顎関節を介した運動・姿勢制御に大いに役立つといえるでしょう。

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