椎間関節内の小さな構造体

上位頸椎や腰椎の椎間関節内には、形の定まらない小さな構造体が見つかることが多く、腰椎は関節包下脂肪体と線維脂肪性半月体という2つの構造体として知られています。

関節包下脂肪体は、関節のごく小さな割れ目に存在し、関節外にまで及んだり、大きなものは椎弓やそれを覆う多裂筋の間の空間を埋めるように形成されることもあります。

線維脂肪性半月体は小さな脂肪体、コラーゲン線維、滑膜が折り畳まれたものなど、さまざまな種類があります。

こうした関節内構造体がどのような機能を持っているかは意見が分かれており、なかには、椎間関節内の柔軟なスペーサーであり、関節内の圧縮応力を分散させるのを助けると考えるものもいます。

他にも、大きな関節運動が生じた際に、関節軟骨が露出するのをカバーするものだとか、そのカバーによって軟骨表面を保護し、潤滑性を保つといった意見もあります。

さらに頸椎のむちうちなど、頸部の過剰な伸展は線維脂肪性半月を障害する可能性があり、これによって長期の不動を余儀なくされた場合、脂肪体は増殖し、頸椎の運動制限を引き起こすこともあります。

また、こうした組織には神経支配があり、疼痛の原因にもなるでしょう。

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