運動の手続き学習について

動物は環境との相互作用を通して新しい運動技能を学ぶための卓越した能力を持っています。

この学習は、成熟による技能の発達とは区別され、独立して起こります。

生まれたての仔馬がすぐに立つという能力のように、先天的に備わっているものも一部ありますが、一般には、変化する環境に適応しなければなりません。

運動学習のほとんどは、何を学習したのか本人にも表現しづらい、いわゆる手続き学習または潜在学習に相当します。

これらはつまり、意識的に考えていなくとも起こり、練習なしでも長期にわたって保持されます。

自転車の乗り方やピアノの弾き方は、手続き学習の好例です。

一方、記述のできる、知識として利用できるような学習を、顕在学習や宣言学習といいます。

道順を覚えたり、数字を覚えたりといったものです。

運動学習は、すぐにできる場合もあれば、時間がかかる場合もあります。

人は、重さのわからない物体を持ち上げることはほとんどすぐにできるようになりますし、少し学習すれば自転車にも乗れるようになります。

しかし、ピアノを弾けるようになるには、何年もかかることもあります。

このように学習に要する時間にばらつきがあるのは、単純に課題の難しさが反映されているだけでなく、学習の段階的な制約があるからかもしれません。

例えば、物体を持ち上げるときには指を個別に動かす必要がなく、日常的な動作の範疇で行えますが、ピアノを演奏するためには指を精密に制御することを学ぶ必要があります。

しかしそれだけで弾けるようにはならないため、同時並行的にいくつもの学習が必要となり、時間がかかってしまうのです。

ピアノを弾ける人はその他の楽器も早く習得できるようになるという話をよく聞くのもこれが理由のひとつかもしれません。

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