皮膚への外部刺激とその反応

皮膚は身体のバリア機構として働くだけでなく、筋緊張の制御にもある程度関わります。

皮膚への刺激は筋収縮を促通または抑制させることが知られています。

皮膚への刺激が筋収縮を促通させる働きは、刺激された皮膚と同即表面の筋が収縮する同側性伸展反射を応用した促通理論で説明されます。

これは、「屈筋は四肢のどこを刺激しても収縮するが拮抗筋の表面を刺激した場合は抑制され、伸筋は四肢のどこを刺激しても抑制されるがその筋の表面を刺激した場合は興奮する」という原理であり、多くの徒手療法に応用されています。

皮膚刺激が筋緊張を抑制させる原理としては、屈曲反射求心線維のなかの低閾値の神経線維や関節受容器への刺激が、α運動ニューロンを抑制し、γ運動ニューロンを促通するためだとされています。

これは、皮膚−小脳・延髄−脊髄という経路でα運動ニューロンが抑制される仕組みで、外部からの皮膚刺激によって運動の修正がなされた結果であることが分かります。

こうした概念は、トレーニングやストレッチング、その他徒手操作を必要とするプログラムで幅広く応用されています。

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